*全然魔王様じゃねぇです
*ただのアテムの別人格だよ、これ、劣化コピーってやつだよ。
*微エロ!と言えそうだ。
続・彼はファラオ
さっきから視線を感じる。
席替えをして、
遊戯はアテムの隣になった。
ゲームで意気投合した2人はすっかり仲良しになっていて、
隣になったときは喜んだものだ。
だが、所詮アテムとは普通の友人。
彼がじとーっと遊戯を見ることなど無い。
結果、この熱くて燃えそうな視線を送っているのは、あのファラオということになる。
己の名を持たぬファラオ。
言ってしまえば身体も持っていないらしい。
遊戯はあの後気になって、
滅多に手に取らない新書だの、学校のPCルームを使って色々調べてみた。
出た結論は、やはり「二重人格」
アテムの中にいるもう1人の人格、それがファラオ。
ある説によると、多重人格は、それぞれ名前を持っているというが、
恐らく彼にとってファラオが名前なんだろう。
そして、多重人格には上位人格というのがあるとかないとか。
所謂フォルダみたいなもので、
上位人格は下位人格が何かしている時のことを知っているという。
ファラオはアテムのことを知っているのだろうか。
あれからファラオとは何度かあっているが、
どうにも自分勝手で、此方の話などまるで聞かず、
遊戯を妾か奴隷とでも思っているのだろうか、
愛玩動物のように可愛がり、雨の様にキスを降らせるだけだ。
しかもそれが場所を選ばない。
以前も言ったように、傍目にはアテムとキスしていることになるのだ。
それが教室でばれたりしたら・・・
遊戯は首をブンブンとふり、強固な意志で阻止するほかないと思う。
それで場所を変えてはみるもののファラオの出現時間は短い。
すぐにアテムに戻ってしまい、
「相棒、どうして俺は此処に居るんだ?」なんていわれてしまえば
毎度毎度言い訳に困る。
アテムとファラオの出ている時間だけを考えれば、アテムが上位人格でもおかしくないが、
アテムの態度を見る限りは、ファラオの存在はわからないらしい。
まぁ、並列人格の場合もあるから強引に上位人格を決める必要も無いか。
人格が生成されるには多くの理由があるらしいが、
子供の頃に虐待などうけると、元の自分を守るために新たに人格を作ることがあるとか。
・・・あのファラオが、か?
遊戯は再び首をブンブン横にふる。
そして、これが1人で考えたところで答えが出ないのだと気づく時、
同時に隣の熱視線をどう交わすかに頭は切り替わる。
「武藤、これ解いてくれ。」
考え事をしている人は、当たり易い。
そして遊戯には答えられる手段がない。
教師は教壇でニヤニヤしている。
「(解らないんだから、真面目に聞きなさい。)」
別に超能力者ではないのに、言いたいことは解ってしまう。
遊戯が渋々出て行こうとした時、
一瞬フラッシュが瞬いた。※盗撮ではない。
驚いたが、更に驚いた。
眩しさに閉じていた目を開くと、立ち上がりかけていた自分ではなく、
別の誰かが黒板に立って問題を解いていた。
教室に武藤は1人しか居ないし、
しかも、教室中誰も驚いていないのだ。
あの親友と称する城之内でさえと思ったが彼は寝ていて、
幼馴染の杏子でも別に何の反応もなくそれを見ている。
突如現れたもう一人のボクもとい武藤君は確り問題を解いて席へ戻る。
「???????????????????」
どんなに疑問符を並べようとも答えは出ないし、
正直、板書されている解答並びに式も意味不明。
流石に後者は拙いと思うが、それ所ではない。
そして教師は、「よし、よくできたな。」と満足げ。
その後、遊戯はまるで石ころ帽子を被ったかの勢いでスルーされたまま
数学の時間を終えた。
そういえば隣の熱視線もそのままだった。
チャイムが鳴り、蜘蛛の子を散らすように去っていく生徒の多くは購買狙いだが、
遊戯は未だにアテムに戻っていないファラオを、
問題が起きる前に人のない教室へと連行していった。
遊戯は余りに必死で、
教室廊下側からかけられた声に気づくことは無かった。
「もう、授業中に出てくるのはダメ!」
「何故だ?」
「だって・・・。」
その視線のお陰で集中できませんでした、といっても、
半分は嘘であるし、
ぶっちゃけ自分でも解らない、が、
「ダメったらダメ!」
強引だ。
「それにしてもあの大人はどうかしている。」
「大人?先生のこと?」
「先生?ああ、そうだ。俺の恥じる遊戯を教室の前に立たせようとするとはな。」
「恥じる、って」
お前は俺のものだ。
他の誰も容易にお前を見てはならない。
「って、あの、あれはキミがやったの?」
「あれ?ああ、身代わりを立てておいた。」
今某人が此処に居るのであれば言ってほしい、
『非科学的だ!』と。
この瞬間のためのセリフに違いない!
「何で!?」
「言っただろう?人前にさらされ恥じる遊戯は俺だけのものだと。」
「そうじゃなくって、どうしてそんなことが出来るの!?」
「ファラオだからだ。」
今すぐこの人を何とかして欲しい。
今だけは某人の科学的な考え方に激しく同意を示したい。
だが、さすがは王とでも言うべきか。
慌てふためき、理解できていない遊戯に付き合うつもりは無いらしい。
「解っているな?」
何時ものように顎をくいっと持ち上げられて、
遊戯はもはやパブロフの犬レベルで反応する。
相手がアテムの顔兼身体だと解ってはいるのだが、
舌が絡むとどうも思考が停止して、
感じるだけになってしまう。
「んっ、あ・・・ッ、はぁ・・・。」
「遊戯。」
あの赤い目が何を言わせたいのか解っている。
そして、それに従順に答えるのが役目だった。
「ぼ、ボクは、キミのものだよ。」
良く出来た、といわんばかりににやりと笑って
もう一度熱く貪られて、
遊戯は火照る以外何も出来ない。
早くアテムに戻って欲しい気持ちと、
まだ戻って欲しくない気持ちとで、
ジレンマに陥る。
息をする暇も無いような激しいキスに、
はぁはぁと必死で酸素を取り込む。
熱に浮かれ始めた遊戯を楽しそうに眺めながら、
王は机に組み敷いてゆく。
「だ、だめだって!!」
「声を上げればばれるぞ。」
「はうぅ・・・。」
多くは此処で終わったはずなのだが、
今日は王の機嫌はすこぶる宜しいようで、
今以上を要求していらっしゃる。
薄着へと変わっていた制服の上から撫ぜた。
「ひぃっ・・・!!!」
可愛げの無い反応だが、反応すること事態が楽しいらしく、
王は更に敏感な場所を探りあて、指で弄る。
「だ、だめ!!」
「人を呼ぶつもりか?」
「ちが、あッ・・・!」
器用に釦を一つ一つ外して、
露になった小さな身体は十分に扇情的だった。
「お前の身体は充分に準備が整っているようだが?」
硬くなった突起を嘗めあげ、より煽る。
最早抵抗が意味を成さないと判断した遊戯は、
抵抗しようとしていた力は全て、耐える力に変換し、
流石にアテムに戻るのを待つことにした。
どうせ皆ランチタイムをエンジョイしているのだ、
恐らく誰も此処へ入ってk
ガチャッ
と音を立ててドアが開いた。
流石に王も反応してドアのほうを見る。
土砂降りのキスから解放された遊戯も思わずドアを見る。
絶望した。
そして一寸タイミングが遅いと思った。
あの人が立っていた。
←
前のターン! 次のターン!→
-------------------------------------------
背景素材:
歪曲実験室。を少し加工させていただきました。
続くぜ!
2人で三角関係のつもりが、
あの人乱入で大乱闘の予感に・・・なりません。
(08.02.25)AL41