*ぱら、れる・・・?
*表と闇が別体
*で、アテムが二重人格
彼はファラオ
ボクは、武藤遊戯、16歳。
この春童美野高校に入学したんだ。
勉強も運動もさっぱりだめで、ゲームが大好きな普通の高校生、
友達作りは苦手だったけど、
新しい環境だから何か変わるんじゃないか、
楽しい高校生活が始まるんじゃないか、
そう思ってたんだ。けど、
入学して2日目に、風紀委員の牛尾さんと言う人に早速イジメを受けた。
小学生と間違えられるボクがイジメの対象になるのは、当然といえば当然で、
中学生の時もそうだったから、悔しいけど慣れっこだった。
でも、そんなボクを助けに来てくれたのが、城之内君と本田君。
休み時間でも教室に引き篭もっていたボクをからかってた2人だけど、
これを切欠にボクと2人は友達になれた。
体に残る痣はまだ消えないけど、ボクは大切な友達を得ることが出来たんだ。
幼馴染も含めて、ボクは何とか新しい生活を始めることになった。
これって普通の生活だよね。
ボクはこういう普通の生活がしたかったんだ。
幼馴染の杏子にはちょっと下心があったりするけど、
だってボクは普通の高校生だ。
そのくらい普通に違いないんだ。
そんな順風満帆なボクの高校生活が持ったのは1ヶ月だった。
学校生活にも慣れて、毎日みんなで遊んで楽しい日々を送ってたけど、
ボクが非力で弱くてダメダメなことは変わっていなかった。
だから、牛尾さんにイジメられるなくなったわけじゃなかった。
彼はボクにお金を要求してきた。
無いって言っても信じてもらえず、出せないんならどこかで働かせるって言ってきた。
何でボクなのか良くわからない。
でもお金が欲しいなら自分でやれば良いのに、なんて言ってたら今ボクは此処に居なかったかもしれない。
うちの学校では、理由が無い限りバイトは禁止されてる。
杏子は内緒でやってるけど、ボクは隠せる自信もないし、見つかったらどうなることか、考えたくなかった。
でも、ボクには解決策なんか無かった。
此処に城之内君や本田君が居れば話は別だっただろうけど、
彼らに迷惑もかけられなかったし。
そこへ来たんだ。
「弱いものイジメか、楽しそうだな。」
ボクは彼を知っていたつもりだった。
名前はアテム・イシュタール。
残念ながらボクの慕っていた杏子は彼のことが好きらしい。
よくボクに話をしてくる。
ボクは相談に応じられるほど出来た人間じゃないから、話を聞くだけだけど。
ちょっと寂しいけど、仕方がないと思う。
彼はボクと似ているのに、絶対に違うんだ。
顔は整ってる(と思う)し、頭もいい、運動神経も凄いし、
大人びた感じで、ニヒルなところが女子に人気があった。
ボクが杏子を慕っていたように、杏子が彼を慕うのも当然で、
杏子の態度をみてボクは真っ先に諦め、寧ろ応援してたくらいだった。
杏子はとても優しいし可愛いから、彼と釣り合うんじゃないかって思うくらいにさ。
そんなアテム君がその時ボクらのところにやってきて、
開口一番にそういったんだ。
彼がそんな性格だったとは思えなくて、嘘だと信じた。
そしてそれは嘘だった。
小柄な彼(ボクよりは大きいんだけど)が真っ向勝負して勝てないのは目に見えてたんだけど、
彼は何と勝負を仕掛けたんだ。
それは力ではなく、度胸試し。ゲームだった。
そして彼はあっさりと勝ってしまった。
負けた牛尾さんはそのまま、時代劇の悪役みたいな捨て台詞を吐いて去っていった。
で、え?何が嘘だったって?
今から話すよ。
ボクはアテム君がボクを助けてくれたものばかり思ってた。
「ありがとう、アテム君。」
そう言ったんだけど、彼はちょっとばかり考えたあとに、言うんだ。
「俺はアテムじゃない。」
意味不明だよね。
良くわかんないよ。
何言ってるのさ、って言おうと思ったんだけど、ボクは彼の迫力に圧倒されたんだ。
それはさっき言った大人びた感じではなく、威厳に似ていて、
ボクは言葉の意味を理解せざるを得なくなった。
彼はアテム君じゃないんだって。
「じゃあ、誰?」
最初はアテム君の双子とかかな?って思ったんだけど、
「名はない。」
んだって。
普通はあるよね?猫じゃあるまいし。
「じゃあ、何て呼ばれてたの?」
「ファラオ。」
「え?」
当時のボクはファラオって名詞を知らなかったんだけど、
古代エジプトの王様の名称だっていうことを知った。
「ふぁらお?」
「そうだ。」
「アテム君ではないんだよね・・・?」
「ああ。」
名前は持たず、ファラオという名称で、アテムと同じ外見。
ボクの頭はパンク寸前だった。
それで彼を他所に頭の整理をしていたら、急にずずっとボクに近づいてきた。
それで言うんだ。
「悪くはない。」
それでボクの顎をぐっと持ち上げて、
「助けた礼は貰わねばならないな。」
って言ったっきり、
ボクのファーストキスは奪われた。
パンク寸前だった頭は、パンク以前に真っ白になった。
女子じゃないからこだわりが有ったわけじゃないけど、
どうだろう、この状況は。
ボクは傍目にはあの人気者のアテム・イシュタールとキスをしている。
でも本当はアテムの顔をした別の誰か、ファラオとしている。
いずれにせよおかしな光景だ。
でも、とりあえず言うよね、
「な、何で!?ボクとキスしてるの!?」
「見立てどおりだったな。非常に気に入った。」
会話はかみ合ってない。
でも、次の一言で全てが繋がるんだ。
「俺の男になれ。」
何やら彼はボクに対して何らしかの考えを持った上で、ボクを助けに来て、
その報酬としてキスと告白をしてきたのだった。
そしてボクには、彼の威厳と恩とで拒否権が無かった。
前者が主な理由なんだけどさ。
ボクがこうなった理由を聞こうとした瞬間、
ファラオはよろめきバランスを崩した。
思わず駆け寄って身体を支える。
「大丈夫?」
ボクは、ファラオに問いかけたつもりだったんだ。
でも、返事をしたのは
「・・・?俺は何で此処に居るんだ・・・?」
ファラオじゃなかった。
「き、キミは・・・。」
「・・・あ、あんたは確か武藤・・・。」
「う、うん。」
彼は起き上がってあたりを見渡す。
どうやら記憶が無いらしい。
「なぁ、俺がなんで此処に居るのか知ってるか?」
一応答えたよ。
ボクが苛められてたところに、君がやってきて助けてくれたんだって。
それ以上のことは言えないよ。
言ったらこの場でボコボコになるか、
それを知った女子たちが山のようにやってきて、ボクが生き埋めになるか、
そうでなくても杏子には嫌われるに違いないじゃないか。
その上ボクには同性愛疑惑なんていうものが浮上して、ああ、考えたくない!
だから、それは黙って、何とか納得して貰った。
すると彼は記憶が無いって言ってたけど、俺のお陰で無事だったんならそれに越したことは無いな、って笑ってくれた。
ちょっと冷たい印象さえ持ってたから、そう言ってもらうことで彼の印象はさっぱり変わることになった。
杏子にいい知らせが出来たし、
この件を切欠にボクとアテムは友人になれた。
お互いゲームが好きって言うところで意気投合した。
この一件も友達が増えてよかった!
・・・で、終われば良いけどさ、
どう見てもボクの普通の高校生活は終わった気がしない?
少なくとも普通じゃない。
高校生活で、いや、僕の人生で最初の恋人は、
ファラオと名乗る男だった、
それだけでなんかもう違う。
そんなこんなでボクの変わった高校生活が始まったんだ。
→
次のターン!
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背景素材:
歪曲実験室。を少し加工させていただきました。
突発的に思いつき、
突発的に書いたもの。
思い経ってから現在2時間弱。
あんなに悩んでいた魔王様×表。
思いついて未だ新鮮な分、書いていて楽しかったです。
そしてこのままいくと昼ドラフラグ(笑)
アテムの表人格が遊戯に惚れるか惚れないかでだいぶ変わりますが、
全然決めてません。
寧ろ、遊戯がアテムに惚れてしまえば、2人で三角関係!不っ思議ぃ!
突発は冷め易く熱し易いものです。
今現在、気に入った設定なので続きを書くかもしれませんが。
明日の朝はどうだろうなぁ。
(08.02.16)AL41