*商人がログインしました

*今回はネタあかし編
*僧侶←(猛攻)―商人

*長い!


13.アリアハン城下町 -井戸の怪-




「城之内君・・・。」

耽る遊戯を横目にアテムは一振りの剣を眺めていた。
『遊戯のことは頼んだぜ!』
その言葉と共に城之内から渡された鋼の剣。
3人の説得により城之内は暫く休むことになった。
1人では寂しだろうと、武闘家で本田を登録しておいたし、大丈夫だろう。

だが、城之内が居なくなったことで遊戯は非常に寂しそうだ。

「遊戯にあんな顔をさせるとは、城之内も侮れないな・・。」
「相棒は城之内君が大好きだからな。」

机にうっつぷしている遊戯は憐憫の情を抱かせる。

「で、次は誰を入れるんだ?」
「悩んでいるんだが・・・。」
「候補は?」

アテムは僅かに眉を顰めた。

「白髪の魔法使いか長身の商人だ。」


「・・・双方拒否。断る。」
「・・・残念だがそうもいかない。」

蟹戦で解ったように、今までとは違う戦法も必要になる。特に魔法使いが必要な予感がする。
だが、
「これだけアイテムが出てくると、流石に勘ではどうにもならない。
1人商人が居れば、解らないこともある程度わかるようになるだろう。」

魔法使いか商人。

「どっちもどっちだな。」
遊戯争い的な意味で。

2人が悩んでいるといつかのNPCが声を掛けてきた。
「あんたらは何時かの・・・。どうかしたのか?」
「いや、次のパーティで悩んでいるところだ。」
「何で悩んでいるんだ?」
「魔法使いと商人のどちらが無難か、ということだ。」

どっちにしたって遊戯の争奪戦がより激しさを増すことは避けようが無い。

「そうだな・・・何処へ行くかでも変わると思うが、前と被るところもあるが一応説明しよう。
まず魔法使いだが、解っているとは思うが、攻撃魔法を持っているのが何よりだ。
ただ体力は本当にない、僧侶以下だ。
商人は、力はソコソコあるし、アイテムに関する知識も豊富だ。ただ魔法は殆ど覚えないし、
戦闘に秀でているわけではないが。・・・強いところへ行くのか?」
「それなりに。」
「なら商人の方がいいかもしれんな。魔法使いは装備できる防具が少ない。
商人はそこそこ強い防具も装備できる。」
「なるほどな・・・。」
「あのゴリラのことを考えると、HPが少ない魔法使いじゃ危険かもしれねぇな。」


前回とは違う意味で苦渋の決断であった。


登録を終えると、
「次は誰が一緒なの?」
遊戯は気を取り直したようで、にこにこと楽しそうに問いかけてくる。
「・・・次はな、」
「次は?」
「まぁもう来るぜ。」

アテムとバクラは何処か嫌そうな顔をしている。
遊戯はその原因など知らないし、疲労だと思っていた。

首をかしげながら待っていると、
裏手から、
天井に頭が届きそう、というのは過言だが、
所謂背の高い男が酷く不快そうな顔でやってきた。

「あーーーーーー!!!」

遊戯は純粋な意味で大きな声を上げて喜ぶ。
すると、声の主をみて男の表情は一変した。

「遊戯ッ!」
「海馬くーん!!」
「遊戯、無事だったのか!」

駆け寄ってきた遊戯の為に屈み、久し振りに見た幼い顔に満足する。
是非抱きしめたいところだったのだが、そう簡単には許されない。

「俺が一緒で相棒が無事ではないわけなどないだろう?」
「それにしてもこの世界にいっちばん似合わねぇな社長・・・。」
「黙れ、付属品が。」

確かに普段スーツか学ランの男があまりにもフランクな服装なのが可笑しい。

「アテム、貴様か!俺を商人にしたやつは!」
「経営者ってのは商人じゃないのか?」
「他の何も同じだぜ。」
「海馬君は物知りだし、商人がいいとおもうよ!」
「遊戯がそういうのであれば仕方が無い。」


いずれにせよ、これで商人が仲間になった。
遊戯を巡る戦いがあるには違いないが、
遊戯を守るという面では3人異論は無かった為、思ったよりも協力的ではあった。

未だこの世界に来たばかりの海馬に色々説明をするため、
ルイーダの酒場の2階で今後のことを含め、話し合いの場がもたれた。

「つまり、これから魔法のカギを求め、イシスへ行くということか。」
「アッサラームでの聞き込みは殆どしていない。
城之内君を休ませて他のメンバーを連れて行くのであれば、
イシスへ向かうメンバーで聞き込みをした方が、情報の共有もしやすいからな。
だが、多分、アッサラームには無いだろう。」
「ただアッサラームには魔法のカギの情報がある可能性が高いな、良くあることだ。」
「フン・・・それにしても、妙に耳になじむ単語だな。」

海馬は遊戯から受け取った地図を机に広げた。

「どうしたの?」
「いや、ロマリアはどこだ?」

ここだよ、と遊戯は指をさす。
突き出た半島の南。

「やはりな・・・遊戯、この地図に見覚えは無いか?」
「え?」

3人は地図を覗き込んだ。
それから、「そーいやそうだな」「確かに。」と付属品は急に納得するのだ。
「え、何?何かあるの?」
残された遊戯はわたわたと地図を見直す。
「相棒、この島の形、見たことはないか?」
アテムが指をさしたのは、地図の真ん中辺りにある、
3つの島。
「んー・・・。」
腕を組んで難しい顔をしていたのだが、はっと気づいたらしい。
「これ、日本っぽい!」
「そうだ。日本だ。」
「あれ、でもこれって、ここの世界の・・・。」

「世界地図を元に、この世界を作ったのだろう。」

海馬は改めてロマリアを指す。
「ここはイタリアだ。ロマリアの語源は、ローマとイタリア、といったところか。
ここから北上するとカザーブがある。カザーブの語源はわからないが、
ノアニールは場所としてはノルウェーあたりになるな。
西にあるシャンパーニの塔は、フランスのシャンパーニュ地方が元だろう。
多分、この北西にあるのがイギリス。島国とは解り易い。
そして今回のアッサラーム。ここはインドだ。アッサムという地名がある。」
「そっか、じゃあ、やっぱりこの西には。」
「場所としてはそこがアフリカ大陸。そして、エジプトだ。」
「エジプトにイシスねぇ・・・ま、普通だな。」
「早く日本に行って見たいね!」
「船を手に入れなければならないだろうな。」

遊戯は改めてその地図を眺める。
世界地図だとわかると、途端に親近感が湧いた。

「まぁ世界地図だってことは解った。
ただ色々解らないことが未だあるんだが、そうだ、海馬、これは解るか?」

アテムが袋から取り出したのは、例の
「なんだこれは、ゲームセンターのメダルのようだな。」
共通認識である。

「わかんねぇか。」
「流石にな。・・・だが何処で拾ったんだ?」
「最初はアリアハンだったな。」
「ここでか・・・?初期だな。」
「ああ。俺も色々考えたんだが・・・バクラ、確かすごろく券を拾ったのは、」
「ロマリアの犬っころの足元だぜ?ボビーの。」
「それでロマリアから出てすぐに所にすごろく場があった。
そう考えると、このメダルも案外ここらへんにある可能性がないか?」
「なるほどねぇ・・・。可能性はあるな。」

9枚ほど溜まっているし、好い加減に判明させたい。
「城内は調べた、町の方を確かめてみるか。」

地図に食いついていた遊戯を抱えあげて、一行は町へ出た。

「これは一体何時の時代なんだ。中世か?」
「まぁゲームだしね。」

町は石造りの家屋で、人もソコソコ居る、さすが城下町、である。
「これといって変なやつとかあやしい場所はねぇけど。」
そうは思いながらも町の南の方へうろうろとやってきた。

井戸端会議というわけではないが、井戸の近くで不安そうな顔をしている老体を発見。
これは遊戯担当である。
「こんにちはー!」
「おやおや、元気なボーヤだねぇ。」
「(ボク、ボーヤ?)」
「(相棒ならば仕方が無い)」
「(俺の遊戯に気軽にボーヤなんてよ、礼儀しらずだぜ)」
「(可愛いヤツめ。)」
「え、えーっと、どうかしたんですか?」
「なに、ワシの耳鳴りかわからんが、井戸から声が聞こえるんじゃ・・・。」
「い、井戸から声!?」

思わず覗き込む。

「バクラ君、何か見える?」
「いや・・・だが、水の気配があんまりねぇな。」
「・・・。」
「・・・・。」

入ってみても大丈夫なのだろうか。
そもそもこれは飲み水ではないのか?
いやいや、下にとんでもない魔物が眠っていることはないのだろうか。

「1人みてくりゃいいだろう。」
「あ、危ないよ!」

危なかったら逃げてくるぜ、とバクラは身軽につるべのロープを使って降りて行った。

・・・

・・・

・・・
戻ってこない。

「バクラくーん!」
覗き込んで呼ぶと返信がある。無事なようだ。
「何かあるぜ?降りてきても大丈夫だな。ただ暗いから気をつけろよ。」
「う、うん。」
「海馬、先に下りろ。」
「何故俺だ。」
「背が高いんだから、先に降りて、相棒が落ちないように支えるべきだ。」
「?」
「最初からそう言え。」
「???」


海馬は先に下りていって、
遊戯もアテムに支えられて、ロープにしがみつき、何とか降りてゆく。
下の方までやってくると、海馬にひょいっと抱えあげられて、何とか降り立つことに成功した。

アテムが軽快に降りてきて、4人は改めてバクラの見つけた「何か」と対峙する。

「ここって、井戸の中だよね。」
「ああ。」
「地下、だよね。」
「ああ。」

「・・・なんで、おうちがあるの?」

4人の前にあるのは、紛れも無い家であった。
水の中に立っている、というよりは、
浮島の上に立っているといったほうが正しいだろう。

「家があったら、」
「侵入する。」

反社会的行為にこの旅に慣れた2人はドカドカと向かう。
「海馬君は、ボクの後ろね!」
ずっと後ろだった遊戯が一寸した優越感に浸る一方で、
海馬はお前の背中は俺が預かったと一見マトモだが、
何時でも後ろから抱え上げられるポジションにニヤリと笑った。


「人の気配があるな。」

アテムがドアを開けると、
穏やかそうな男が部屋の真ん中にどっしり座っていて、
その後ろには宝箱が並んでいる。

「メダルの館へようこそ!」

いきなり話しかけられて驚くが、
なにやら興味深い単語である。

「メダ」
「ここの主人はああ見えてもとても偉大なお方。
きっと貴方のお役に立ちましょう。」

にこにこと営業ボイスで説明を貰う。
「ああ見えてもって、何気なく失礼だよな。」
「確かに、なんでもない一般人に見えるからな・・・。」

訝しげな目で眺めていたら、向こうはコチラの視線に気づいたらしく、
にっこりと笑いかけてきた。
「メダル云々というのは気になるな。」
「ゲーセンメダルのことだったらついてるんだが・・・。とりあえず行くか。」
「ボク、あっちの方見てくるよ!」
遊戯はそう言って壁の向こうを指差している。
裏側に何かあるらしいので、任せた。
言わずもがなといわんばかりに海馬が遊戯についていったのは解せないが。

「さっさと終えようぜ!」
「当然だ!」

突然妙な殺気を放ち始めた2人に、“偉大なお方”は一切動じなかった。

「よくぞ来た!
わしは世界中の小さなメダルを集めているおじさんじゃ。」
「小さなメダルって、これか?」
小さなメダルって、みたまんまの名称はどうなのだろうか。

「ああ、メダルを持っているようだな。
よし預かっておこう。」

手から奪われた。

「アテムの集めたメダルが5枚になった褒美として[とげの鞭]をやろう。」
後ろの宝箱に手を伸ばして、イバラを使って作りました、という雰囲気の鞭が出てくる。
誰が装備できるのだろうかわからないが、多分、グループ攻撃は可能だろう。
とりあえずそれを受け取った。何かあれば金になる。

「今アテムからは7枚のメダルを預かっておる。
これが10枚になった時はガーターベルトをやろう。」
「ガッ、ガー!?!?」
「がんばって集めるのじゃぞ!」
「・・・!?」

世界観とかけ離れた単語が出てきてたじろいだ一方で、
遊戯達は壁の裏側の、控えのような場所へと向かった。
机を囲んで兵士風の男が座っている。

「こんにちは!」
「おや、坊主。」
「(ボク坊主?坊主かも・・・)あ、あの何をしているんですか?」
「自分でも何故かわからないのだが、ここの主人とあったとき、
まるで守るべき王様の様に感じ、ついて来てしまったのだ。」
「へぇ・・・運命的だなぁ・・・。そういえばアテムってどうして王サマって呼ばれてるのかな・・・
海馬君は知ってる?」
「知らん。」
「だよねー。2人だけの秘密なんてずるいよ。」
「ならば俺達も2人だけのひみ」
「あ、海馬君、本棚だよ!ってゴメン、いま何か言ってたよね、ゴメンね遮っちゃった!」

それは残念ながら何時ものことだった。
海馬がどんなにアプローチしようと遊戯は気づかない。
「(今のはタイミングが悪かっただけだ。)・・・構わん。それより、本棚がどうした?」
「本棚もね、何かあったりするらしいよ。」

そういって背伸びをしながら背表紙を眺めている。
それを更に眺めていると、
背伸びして更にジャンプなどして本棚の上段に手を伸ばす。
その指の指すほうには、『メダルの賞品リスト』とかかれた300p.程の厚みの茶色の本があって、
「これか?」
海馬はひょいっと好意でとったのだが、
「むぅ・・・それだよ・・・。」
あっさり取られてしまったのが悔しいらしい。

膨れる様子がたまらなくて、
取れるものならとってみろ、と本を高く掲げた。
本棚より高い。

「取れるわけ無いよー!」

そう言いながら海馬の腕を掴もうとするのが可愛くてたまらない。
「(俺がどうにかなりそうだ)」
怒る遊戯を宥めて手渡してやった。

「何か貰えるのかな?」

表紙を開くが、まず最初に著者、多分あの男だが、
あの男とメダルの出会いがつらつらとかいてあるようだ。
「・・・。」
「遊戯、目次を見ろ。」
「あ、そうだね。」
目次を見ると、「景品一覧」とかかれたところがあるらしい。
早速めくった。

「最大100枚か・・・先が長いな。」

とげの鞭 5枚
ガーターベルト 10枚
やいばのブーメラン 20枚
力の指輪 30枚
インテリめがね 35枚
しのび服 50枚
正義のそろばん 60枚
疾風のバンダナ 70枚
ドラゴンクロウ 80枚
復活の杖 90枚
神秘のビキニ 95枚
ゴールドパス 100枚

「ゴールドパス?」
「パス・・・何か会員制なのだろうか・・・いや、それにしても。」

[ガーターベルト][神秘のビキニ]

「何だこれは。女性用の装備だということはわかるが・・・。
95枚という時点で中々のアイテムだということは解るが。
やいばのブーメラン、ドラゴンクロウ、復活の杖当たりは一般の店では手に入りにくいかもしれないな。 メダルを集めておく必要がありそうだ。」
「ねぇねぇ、正義のそろばんってさ」
「遊戯、見なかったことに。」

そう本を閉じて遊戯の届かなかった最上段に戻す。
どう考えても商人の武器ではないか。
先のことを思うと頭が痛くなった。






12.アッサラーム[*]
 14.イシスの砂漠[#]→
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ガーターベルトが何か知らなかったあの頃。
セクシーギャルって何?だった純粋な自分の存在を思い出させてくれます。
そして改めて攻略本を見て、ガーターベルトの文字をみたあの時の衝撃。
なんだよビキニって。腹丸出し!
(そう言いながらラスボスはビキニで立ち向かうのはサダメです。)


商人が入ってくれたお陰で、アイテムの表現が楽になりました・・・w
絶対拾ったものが何かなんてわかるわけ無いと思ったので;


このメンバーで話が進むのか不安です;


(09.01.26)AL41