5.続・ナジミの塔-盗賊の鍵-
「そ、そうですか。」
塔の上に閉じ込められているのは、大体かわいそうというか、何というか、
同情したくなるような人間ではないのか?
そんな概念を打ち砕いた、ジジイ
「お主らが来るのを夢で見たんじゃ。
この鍵はおぬしたちに託そう。」
「(世に言う電波か?)」
「(夢なんてそんなに信じるなよ・・・うさんくせぇ。)」
正直なところ、ボス的なものがジジイを捕らえているのではないかという、
一寸した予想はあったのだが、見事に打ち砕かれた。
これだけあっさり手に入るのが、何だか妖しい。
2人は思わず疑ってかかるのだが、
「何か隠s」
「わーい!ありがとうございます!!」
「・・・遊戯・・・。」
「やったぜ!遊戯!」
「うん!」
楽天家の残り2人は何も思っていないようで、
あの妙に冷静な遊戯がああなのだから、恐らく問題は無いのだろう。
バクラは楽しそうに話をしている遊戯と城之内を横目に、
部屋を漁る。
彼の血がそうさせる。
ふと、本棚を一瞥した時に目に付いたのは、
「『おてんばじてん』・・・?」
「ああ、それかぁ。もって行きなされ。」
「なぁ、じいさん、これってよ、なんなんだ?」
「そう、前にも拾ったんだが。」
アテムは荷物からゴソゴソと、『ちからのひみつ』を取り出す。
「一体何なんだ?」
問うアテムとバクラの元にやってくるその足取りは、
流石塔の上で暮らしているだけのことはあって、確りしている。
「題名の通りじゃ。」
「そりゃ解るけどよ、」
「その本には、力の秘密が、そっちにはおてんばについて、
読むと、お主らの性格を左右するようなことが書いてあるんじゃ。」
「つまり、性格が変わるってことか!?」
「遊戯が読むと、おてんばな僧侶が誕生するってことか。」
「そうじゃ。」
「いいのか・・・悪いのか・・・。」
だが、一体どんな性格になるというのだ、
いや、そもそも性格とは、何だ?
「お主らの中には、頭がいいもの、体力があるもの、運があるもの、様々じゃが、
魔物と戦う中で、同じものを経験しても、感じ方は異なるものじゃ。
その感性の違いは、お主らが成長していく上で強い影響を持つ。
たとえば、腕っ節の強い“ごうけつ”であれば、攻撃力は上がり易いが、
賢さや運はあまり成長しない。
他には、そうその本のように“おてんば”であれば、そそっかしくって、
行動は早くても、運動神経は悪そうだし運もなさそうじゃ。」
「と、いうことは、迂闊には読めないな。」
相棒がごうけつになんか成ったら、色々最悪だぜ?と、
遊戯以外は妙に納得している。
「じゃあ、ついでによ、この“種”って何だ?」
「種?ああ、それのことか。」
城や村で拾った種を見せると、親切にも教えてくれた。
流石、夢を信じるような人間だ。
「これは食べるんじゃ。」
「く、食うのか!?」
「これが、運をあげる種で、これは力をあげる種で」
「え、これって何種類あるんだ!?」
「種が5種類、ちから・素早さ・賢さ・スタミナ・ラックじゃ。
もう1つ、“木の実”もあってな?それは命・不思議の2種類じゃ。」
「ああああああああああああ!!!覚えらんねぇよ!!」
確かに種の形はどれも違うし、覚えようと思えば覚えられそうだが、
頭が回らない。
「アイテムで解らない物があれば、商人にでも聞いてみることじゃ。」
「商人?」
「アイテムを扱う職業だから、色々知っているだろう。」
何故こうも、某人を思い出させるようなことを言うのだろうか。
「まぁ、何とかするぜ。」
出来るだけあの人を遊戯に思いださせないように心がけながら、
鍵をくれたじいさんに礼を述べて、
一向は戻ることにした。
「帰りは飛び降りるだけだから楽だね!」
「そうだな。」
「今回は色々情報も集まったな。」
「それに鍵も手に入ったことだし、もう1回城とか村へ行って、
色々漁りなおす必要がありそうだな。」
「そういえば、地下道にも鍵の付いた扉があったな。」
「じゃあ、兎に角最初はもう一回地下道だね!」
城への戻り方は解っているし、
一向は元気よく塔から飛び降りる。
着地したところには、遊戯が書いた地図がまだ残っていた。
「そういえばさ、地下道、他にも道があったよね。」
「そういえばそうだな。岬の洞窟から入るルートもあったはずだ。」
どっから行くかねーと、すっかりお気楽である。
「また此処に来るのは面倒だ。
岬の洞窟から外に出られるのは解っているし、恐らくこの塔よりも強い魔物は居ないだろうから、
先に行きに見たオレンジのドアを開けてみるか。」
まずは来た道を戻ることにする。
途中、相変わらず魔物とエンカウントして、散々戦っていたところ、
「相棒・・・なんだか・・・身体が・・・重いんだが・・・。」
アテムがぜぇぜぇと、不調を訴えた。
「どうしたの?」
「何だか、カエルに攻撃を受けた時から、身体が重くて・・・。」
「それって、もしかして・・・毒?」
毒は戦闘が終わっても治らないもので、
そのまま放置していると、死に至るという、
面倒なステータス異常だ。
しかも、毒消し草は薬草よりも少し高く、
「買ってない?」
買いそびれることも多々ある。
「けど、何か拾ってんじゃねぇの?」
城之内が袋を漁っていると、
「これか?」
バクラがなにやら持っているが、
「それ、どうしたの?」
「掏った。」
盗賊のスキル、なのか、本人の癖なのか。
「さっすがバクラ!」
「こういう事態以外でスリはしないでね・・・。」
「そんくらいわかってるぜ、流石に。」
バクラの無駄に適した能力のお陰で、無事アテムは解毒が出来た。
「借りが出来たな。」
「しっかり返してもらうぜ。」
無論、遊戯絡みであることは説明する必要は無いだろう。
行きに見た扉へたどり着き、入ってみると、
単なる小部屋で、宝箱が二つほど置いてあったので、無事に回収し、
再び舞い戻ってきた。
遊戯は分岐点に立って、
「右にする?それとも左にする?」
等と聞いてくる。
「(そんなに新妻みたいな聞き方しないでくれ・・・。)左に行ってみるか。」
「迷ったら左って決めておけば、戻る時が楽だな。」
「そうだな。これからはそうしておくか。」
右の廊下に対して、左の廊下は長く、行き止まりまで分岐はないようだった。
「ちょくら先に行って見てくるぜ!」
相変わらず行動力のある城之内がさっさと駆け出していくと、
犬の様にそれについていく遊戯。
それを見守りつつ、これからの事を考える。
「次は誰を呼び出すか、悩むな。」
「このままでいいんじゃねぇの?」
「それは楽だが、何があるかわからないだろう?
疲労で倒れるかもしれないし、魔法使いが居ないとどうにもならなかったり、
・・・商人が必要かもしれないだろ・・・?」
「呼び出すのか?」
「相棒が気づかないとは思えないからな、何時かは呼び出す羽目になる。」
あの男が商人、というのも何かおかしい気がするが、
経営者というのは一応商売人ではないのだろうか。
「こういう雰囲気に最も似合わない人間だな。」
「そうだな。思いっきり笑い出しそうだ。」
「アテム、バクラ!上り階段があるぜ!!」
「上り?」
「外に繋がってる、とかか?」
「此処は地下1Fだ。つまり、地上に出る可能性があるってことか。」
「行って見なきゃわかんねぇな。」
「兎に角行くぜ!」
追いついて階段の先を窺うが、
暗い。
「洞窟なのかな・・・?」
「いや・・・階段が、整っている。」
それは明らかに人の手によって作られたものだということは解った。
「・・・行くぜ。」
珍しくアテムを先頭に、階段を上る。
そこは、暗い部屋だった。
紫色のレンガで出来ていて、高級感があり、
魔物の気配がさっぱりしない。
「ここって、まさか・・・さぁ・・・。」
「相棒、俺もそんな気がするぜ。」
オレンジ色のドアを開けて、
先へと進むと、
「牢屋・・・、やっぱりここって。」
「ここは牢獄。話しかけたければ、牢屋越しに話しかけるが良い。」
王宮兵士の格好した看守がそう言ってくると、
手前の牢獄の男がコチラに気づき、声をかけてくる。
「盗賊の鍵があれば赤い扉が開けられるのに。ちくしょう!
って、お前たち、その鍵は・・・。」
「あ、ああ。」
「ちくしょう!このバコタ様が作ったんだから、大切に使えよ!」
「お前か・・・。」
まさか、作った張本人がいるとは。
しかも赤い扉って、オレンジじゃなかったのか。
「なんだ?つまり、
あの塔の上のじいさんは、夢で俺らのことを見て、
バコタからこれをぶんどって、城に突き出したってことか。」
「だらしねぇ!」
同業者ながら同情する気はさらさら無いらしい。
「って、どうする?城に戻ってきちまったわけだが。」
「何か、ちょっと疲れたよー・・・。」
「そうだな、休むか。俺んち帰れば休めるだろう。」
「俺んちって、ア、アテムの家!?」
「正確に言えば、この物語の主人公の家だ。母親とじいさんがいる。知らない人間だ。」
一行は、城の中のオレンジもとい赤いドアを開けつつ、
アテムの家へ戻り、今後の計画を立ててから一休みすることにした。
ただ、実際は今後の計画を立てるのが億劫な程に疲れていたことと、
初めてダンジョンをクリアした達成感と安堵の為に、
話し合うこともなく、ぐっすりと眠ってしまった。
明日には、この地から離れることなどすっかり忘れていた。
←4.アリアハン城[*]
6.いざないの洞窟[#]→
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城に繋がってるって、最初から言えよ!!!と思いつつも、
鍵がないと入れないことに気づいて、悶々としたりします
そして、バクラの毒消し草スリの話ですが、
実話です。
「毒消し草持ってねー」とか思ってたら、
丁度その戦闘でバクラが掏ってくれました。
やー、盗賊は役に立つな本当に・・・。
これからプレイされる機会があればお勧めです、盗賊。
やってるとあまり気づかないんですが、
結構長い間このパーティだったんだなーと後々思います
此処らへんの敵は弱いので、レベルが中々上がりません
ですが、新大陸は、敵が強くなるので、新規メンバーを連れて行くのは、
死にに行くようなものなので、仕方が無いです。
初期ドラクエでネタにされるのは、
「橋を渡る時」と「宿屋」です。
橋を渡ると、敵が変わったり強くなったりします。
3はそうでもないですが、1.2はしんどい気がします。
そして宿屋。
どこかで「今夜はお楽しみでしたね。」というネタを見た方が多いかと思いますが、
あれはドラクエ1で見られます。
業と宿屋にとまったりします。
好い加減に1,2,3をPSPで出すべき。
(DSにはメモリーカードが無いからだ。)
(08.04.27)AL41