4.ナジミの塔 -塔の上のジジイ-




「お邪魔、しまーす・・・。」


急な階段を先に降りたのは城之内で、
その後に続いて遊戯が降り、

「うわああああああああ!!!」

足を滑らせる。

だが、流石城之内。
落ちて来る遊戯をひょいっとキャッチする。

「ごめんね、ありがとう。」
「だいぶ急だからな。気にすんなよ。」
「でも、ほんとに迷惑かけっぱなしだよね、ボク・・・。」
「俺はさっきから遊戯の回復魔法に助けられてるぜ。」
「でもそれは当然じゃないか!」
「俺が遊戯を助けるのも当然d」
「はいはい、きりがねぇんだから、まぁ、この状況だし、
それぞれが仕事をしないと進めねぇだろ?」

事実だが、
本音はこれ以上の城之内―遊戯間の接近を妨げることだった。

後ろでバクラGJ!と親指を立てたのは、洞窟の暗さが隠してくれた。

平原にあった穴にまざまざと入った4人。

青白いタイルが床に敷き詰められ、壁は茶色の長い廊下。
松明が等間隔で炊かれており、そこそこ明るい。
ただ、
モンスターが蔓延っていた。

「うわー・・・。」

しかし、多くは地上のものと同じで、一安心、
すっかり戦闘に馴れた一行の敵ではない。

「ザコの癖によく出てくんな。」
「それが向こうの仕事だからな、仕方がない。」

この青白いタイル張りの廊下は長く伸びている。
だが、その先は壁の様に見えているが・・・

「曲がれるのかな・・・?」

暗さとあまりに整っているタイルのせいで、さっぱりわからない。

「兎に角行って見みようぜ!行くぜ遊戯!」
「うん!」

城之内が先陣を切って駆け出すと、遊戯もそれに付いて行く。



「王サマよう・・・。」

「城之内君なら、何の問題もないと思ってたんだが、甘かったな。」
「誤算ってやつか。」


仕方がない。
旅に戦力は不可欠だったし、現に城之内は活躍をしているではないか。
だが、
「これ以上敵が増えるのは勘弁だぜ?」
「それは俺の台詞だ。相棒は俺の相棒なのに。」
「さーな、どうだか。」
「見苦しいぜ、バクラ。」

ジリジリ、パチパチと見えぬ火花が散る。

しかし言い争っている場合ではない。

「さてと、俺の遊戯が待ってるぜ!」
「!!」

消えた二人のあとを競うように追った。
途中、オレンジ色のドアを見つけ、確認する。
やっぱり開くことは無かった。
「なんか、隠してあるとかか?」
「可能性は高いだろうな。」

だが、その間も2人が先へ行ってしまって、追う。


「うわー・・・。」


「上への階段はあるんだかないんだか。」
「どの位広いんだろう・・・。」

暫くそう見渡していると、
後から2人もやってきて合流する。

斜め前方に小部屋、左には再び廊下が。

部屋をちょっとのぞいてみると、宝箱があったので、
元気よく開けて。

「こっちが行き止まりということは、向こうへ行くしかないな。」
「うん。まだゲームとしては初期の段階だし、
ボクらにとって初めてのダンジョンってことは、
プレーヤーにとっても初めてのダンジョンってことだよね。
だから、そんなに難しいつくりじゃないとおもうよ。トラップもないだろうし。」

相変わらず妙に冷静な遊戯がそう言うのを
何となくそれを信じられるのは、遊戯の人徳ゆえか、一方的な恋慕ゆえか。
城之内を先頭に一行は先へと進む。

少し広い空間へ出ると、階段を見つけるが、
だが、廊下は左右へとまだ伸びている。

「さぁ、どうする?」
「ああ、この先を探索する必要があるのは間違いないが、」
そうアテムは階段の先へと視線を向けて、
「さっきの明るさとは比にならないほど明るい。」
「外の可能性が高いってことか?」
「ああ。一度外へ出て、俺たちが今何処にいるのか確認する必要があると思うんだが。」

一行も納得して、勇者の言葉に従い階段を上った。

するとそこに見えたものは。

「すげぇ・・・。」

湖?の向こうに、山の背にそびえる城である。

残る3人も同じようにその風景に見入る。
現実世界では中々お目にかかれない風景である。

だが、疑問も湧いてきて。

「あれって何処だ・・・?」

それよりもココは、何処なのだろうか。

遊戯は辺りを見回す。
自分たちがやって来た階段、それは、1つの建物に続いていたらしい。
遊戯達の頭上には塔が聳え立っていた。
「ね、ねえ。ココって・・・。」
ナジミの・・・塔・・・?

「でも、ナジミの塔に行くには岬の洞窟から行かなきゃいけねぇんだろ?」

「ああああああああ、わかんなくなってきた。俺そういうの苦手なんだよ。」

城之内の頭がパンクせぬうちに、遊戯は落ちている石で絵を書いてみる。

管理人のひどい地図(ドット・小)


「ボクらは今、お城を見てる。」
「俺たちにとって、今、城は東方向だ。」
バクラが太陽を見上げながらそう付け加えると、
遊戯は棒人間の右側に城の絵を描き、見た景色や情報を元に書き足してゆく。
「ナジミの塔に行く『岬の洞窟』は、城から西へ海岸沿いだったか。」

洞窟が初期レベルの単純なものであれば、
洞窟自体はそう長くないはずだ。
洞窟が西にあるということは、
「塔も西にあるかもしれないってことか?」
「まぁ、実際に、俺たちは塔を眺めながらレーベへと行った訳だ。」
遊戯の図に適当にレーベと、移動ルートを書き足してみる。

解ったことは。

「ここが恐らくナジミの塔ってことと、」

自分たちが湖か海かの下を歩いてきたということだ。


・・・
・・・
「すげぇ・・・。」

そりゃあ、そうだ。

そもそもどうやって海の下にあんな洞窟を彫ったんだか。

「にしても、ナジミの塔へのルートが2つあった、ってことか。」
「お陰で、」

近道になったな。

そう、塔を仰ぐ。


「高いようで、そうでもなさそうだな。」
「天井が高いんだろう。」

塔の1階、彼らが居る場所だが、
そこは例えるのであれば、
ペロポネソスとか、そんな感じがするといえばいいのか、
イオニア式だとかまぁそんな感じだ。
太い柱が何本もそれを支えている。

「この塔の一番上におじいさんが居て、
盗賊の鍵を持ってるんだよね。」
「こんな塔にじいさんが・・・閉じ込められてるとかか・・・?」

高所恐怖症だったら瞬サツものだ。

「まぁ、ココでウダウダしてるわけにも行かないだろう?
どんなモンスターが出てくるのかまだ良くわからないし、
一応帰り道も解ってる。」

体力や薬草が許す限り、ちょっとのぞいていこうぜ!

一行は勇者の意見に従って、ナジミの塔へと挑むのだった。


彼らが出てきた階段の付近に龍?とおぼしき像が2体、その奥にも一体。
「急に動いたりしねぇだろうな・・・??」
流石に龍など出て来て勝てる気がしない。
「さぁな。結構背中を向けた途端に」

「うわああああああああ、そういうのやめろよ!!!」

城之内のオカルト嫌いは有名だ。
バクラとその親類にとって、それは非常においしいネタだった。

「バクラもあんまり城之内君のことをからかわないでくれ。
大事な戦力なんだから。」
「戦力以外の理由はねぇのかよアテム・・・。」

1階のつくりは単純だった。

龍が1体の部屋が中心のようで、
周囲に小さな部屋が繋がっている。
が、そのうちの1つに・・・

「机・・・?」

この建物自体が人工物なのだということはわかっている。
だが、
モンスターの蔓延るここに、町や村で見かけるようなテーブルが置いてある。
木製椅子も二脚あって、そのすぐ横には、
「下りの階段があるんだけど・・・。」

彼らは地下からあがってきたのだ。
だが目に付いた階段はさっきのものだけだったし・・・

「何処へ繋がってるんだ・・?」
「まぁ兎に角、いって見ようぜ!」

そう城之内が意気込んで、階段を降りると。

赤絨毯。
そして人が。

「おお、しばらくぶりのお客さんだ!うれしいなぁ」
「へ?」
「こんにちは!旅人の宿へようこそ!」
「や、宿!?」
「ええ。ほら、ココらへんにはモンスターも居るし、
腕試しで来る人がいるかなーと思って、ここで開業したんですよ!」

何だかすごいことを考える人が居るものだ。

その上1人2Gと良心的だ。

ただ、まだ彼らには充分体力もあったし、

「まぁ、何かあったら立ち寄るぜ。」
「そうですか・・・ではまた!」


そう、宿屋を後にする。

「吃驚したね。あんなところで宿屋なんて。」
「基本的に薬草がたけぇんだよ。」
「まぁ、相棒の回復魔法もあるし、薬草はだいぶ必要じゃなくなってきたな。」
「薬草で回復するよりも、
何かあったらここへくりゃあ何とななるってことだろ?
村に戻るより早そうだし、気兼ねなく上を目指すぜ!」

そして再び上を目指す。

階段を上り、行き止まりで宝箱を開けたり、しつつ、
暫くすると、ふと視界が開けた。

「え?」

壁が、無い。

彼らが居るのは塔の2階である。

確かに絶景だ。
だが、
フェンスの1つも無い、一歩間違えれば真っ逆様である。

ひゅうううううんと風が吹くたびに、
寒さとは違う悪寒が走る。

「は、はやくいこうぜ・・・???」
「大丈夫だよ、城之内君。死なないって。だってゲームだよ?」

恐るべし、遊戯。
だが、これだけは信じがたい。

「無事で済むわけないぜ・・・?」
「どうだろうなぁ・・・。」

バクラは怖くないのか、柱に捕まりつつ身を乗り出して下を見下ろしていたのだが、

「バクラ君!!!」

遊戯の切羽詰った叫び声に体を起すと、
現れたカエルのモンスターが襲ってきて、

一瞬で宙へ。

「バクラ!!」
「ゆ、遊戯!?」

バクラの手をとろうとした遊戯もまた宙に舞う。

そして、落ちていく。

「城之内君、俺たちも行くぜ!!」
「え、あ、アテム、ちょ、ちょっとま、え?」

迷い無く飛び降りたアテムに城之内も続く。

「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!」

流石に叫ばずには居られない。

「(こんなん、死ぬだろ!?フツーは!)」

これはフツーではなかった。
なぜならそこはゲームの世界だった。

城之内が着地した時には、遊戯、アテム、バクラは既に降り立っていて、
何の怪我さえしていないのだ。
「うおっ!」
うまく着地した城之内が漏らした感想といえば、
「なんか、1mくらいの壁を飛び降りたようなもんだな。」であった。

一行は再び上を目指し、
宝箱を回収しながら、漸くたどり着く。
屋根は無く、物凄い開放感だ。
中央には箱のような部屋がある、が、
「これって、オレンジのドア?」
鍵付きのドアで閉じられているではないか。

だが、オレンジ色のドアを開けるには、この塔のジジイに鍵を貰わなければいけない。

「この中に鍵のジジイが居るってことか?」
「けどよ、鍵ジジイから鍵を貰わねぇと入れねぇよ?」
「ってことは、別なのかな・・・?」
「だが、ココがナジミの塔に違いないと思う。他の階段を当たってみよう。」

一度降りて再び階段を探す、と、
案の定出てくる。
「なんだ、最初からこっちにのぼりゃあ良かったな。」
「まぁ仕方が無いさ。」

カツカツと階段を上る。

ジジイが1人そこに待っていた。




2.アリアハン城[*]  5.続・ナジミの塔[#]
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地形をどうすっかなーと考えた末、
ヘタクソなドット絵を・・・
しかもドット絵らしく書いたのが城と塔だけという・・・
城は特に無駄な努力。

サイズがわからなくて、弄ってたら、最初の出来以上に破綻しました
4Kなので、携帯で表示はされるかなーと・・・
グレーの部分はまだ行っていない場所です。
次回は行くでしょうが・・・

・・・また書くかもしれない・・・。


(08.04.20)AL41