3.北の村レーベ-初めてのお使い-





「あいぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


外には思う以上にモンスターが蔓延っていた。

特にスライム。(PCの方は背景画像をご覧下さい)
こいつ等は弱いくせに集団で来る。
その上そこそこHPがあるので、中々消えてくれない。

まぁ、その為に戦士・城之内。

結局防御し続ける遊戯を守ったのは城之内で、
「ごめんね、ありがとう!」
という、遊戯の笑顔も城之内のもので、

既になす術がない。

「ずるいぜ城之内君・・・!!」
「ああ、ってもよ、王サマ一応剣持ってんだろ?」

一方城之内はこんぼうである。

武器による攻撃力の差は5もあるのだが。


「・・・・・・・。」
「・・・・・これが職業ってやつか。」

勇者は万能型などというが、
反対に言えば突出した物が無いのだ。

攻撃は戦士に劣り、
回復魔法も僧侶に劣り、
攻撃魔法も魔法使いに劣り、
これと言ったスキルもなく。

「・・・・・・・・・・・・・・チッ。」

だが、勇者が役に立つのはザコ戦ではない。
敵が強い時ほど役に立つのが勇者なのだ、
少々我慢して貰うほかない。

何処無くしょぼくれている主人公を尻目に、
僧侶と戦士はなんだかピクニックにでも行くような軽い足取りで
旅立ちの町アリアハンを出て、北へと向かう。

ただ真北には山がそびえており、
結局は少し西へ向かいつつ北を目指すことになったのだが。


少し歩くとすぐにあの水色のプニプニした物体が出てくるのだ。
時にはでかいカラスや角の生えたウサギなんてものも出てくるが、
プニプニの出現率には叶わない。

何が可愛いのか分からないが、
スライムと言いつつもM&Wのものとはだいぶ異なり
どちらかといえばクリボーのような象徴的な敵キャラで、
遊戯は非常に(見ている分には)気に入ったらしい。

逆も然りで、
スライムも甚く遊戯が気に入ったらしい。
さっきから遊戯ばかりが狙われている。

だいぶ遭遇したお陰で、
何となく戦いのイメージもつかめてきた。

さすがゲームと言うべきか、
相手はソリッドビジョンの様に消えていく。
それは精神的に楽で助かった。

「リアリティに欠けるよな。」

などといっている犯罪者予備軍のことは考えないで置こう。

ただ、既にしろの樽や引き出しから金だのなんだの拾ってしまった一行は、
予備軍どころか既に犯罪者なのだ。
言及はすまい。

「色々拾ったな。」
「拾うように出来てんだよ。」

楽しげにゆく2人の後ろで、
さっき拾ったものを見直してみる。

金(30G)、薬草、良くわからないたね3種類、謎めいたメダル

「・・・・。」
「たねって何だ?植えるのか?」
「さぁ?」
「しかもこのメダルって、何?ゲーセン?」

小さなメダルをひょっと手にとって見るが、
確かにゲームセンターのコインに似ている。
星型の模様が入っているが・・・

「なんだろうな。遊戯も知らないみたいだし。」
「物知りなヤツとかいねぇの?」

と、2人の間に同一人物が浮かび上がったが、
残念ながらその人物は、2人にとって厄介で、
呼び出す気が起きない。

「まぁ、何とか情報はあるだろな。最初の町で見つけたわけだし。」
「そうだな。」

のん気に話しているとまた、今度はスライム4匹にカラス2匹が現れて、戦闘。

「相棒、防御してろよ!」
「う、うん!」

といいつつ、最初に切りかかるのはバクラで、
続いてアテム、といきたいのだが、
流石にカラスが素早くて、先制を受ける。
だがまぁカラスの攻撃力など高が知れていて、
最も弱い遊戯も防御態勢になっているので、
難なく倒せる。

「ちょっと腕が上がった気もするぜ。」
「そうだな。恐らくゲーム画面ならレベルが上がってると思うぜ。」
「そういうのはわかんねぇのか?なんか漠然とし過ぎてていまいち実感が湧かねぇな。」
「でも、ボクはちょっと体力ついたかも。」

妙に生々しい成長の仕方ではあるが、それでも漸く旅に余裕が出てきて、
少しだが道が開ける気がする。
このまま順調に倒していればそのうち敵も怯えて出てこなくなるだろうし、
旅としてはいい方向へ向かっていた。

だが、
「ねぇ、日が・・・。」

日が沈んでいく。

「綺麗だね。」

なんていっている場合ではない。

夜ともなればモンスターはより徘徊し始めるし、
此方の視界も悪くなる。

「早くやすみてぇな。これじゃあ野宿だぜ?」
「ああ。バクラ、何か見えないのか?」
「なんで俺なんだよ・・・。・・・?」
「どうしたの?」

バクラが指を指す先に、僅かに明かりが見える。

「あれって、民家?だよな。」
「兎に角行くぜ!」

此処にいるよりはマシだろうと一行は走り出した。

遅れる遊戯を城之内がひょいっと抱えあげて、
後ろからスライムがやってきたのも意に介せずに。




「あーーーー・・・しんど・・・。」
「持久走だな。」
「城之内君、ボク大丈夫だから・・・!!降ろしていいよ!!」
「つっても後ろから狙われたら危険だぜ?まぁもう大丈夫か・・・ほらよ。」
そう、やっと降ろして貰うと、

前には暖かそうな光が広がっていて、

「村・・・レーベか・・・?」

村へいっぽ踏み入れると女の人と遭遇して、
話しかける間もなく、

「ここはレーベです。ようこそ旅の人。」

と言ってくれた。


一行は漸くレーベへと辿り着いた。


「どうする?」


まずは、

「聞き込みと称した村漁りから・・・だろ?」

複雑そうな顔をする一行、主に勇者と僧侶を見て、
RPGの基本だろ?とバクラは促す。

まぁそれが妥当だとはわかっている。
「そうだな、宿に止まる前に、何かしておくか。」

そう、聞き込みにいく。

村は小さくて、聞き込み等は非常に楽だったが、
情報はだいぶ被っていて、
ただ、村にはオレンジ色のドアの家が一件あり、
それが確かにあやしことは流石に解った。

村の外れでは少女がでかい石を押していて、なにやら大変そうな様子。
遊戯が行こうとするので、変わりに城之内も駆け寄る。

「お兄さんたちはこの石動かせる?」
「楽勝だぜ!」

それは虚勢ではなく、城之内はあっさりとそれを動かして見せた。

「すごーい!きっとこの力が役に立ちますよ!」

意味不明だ。
だが、
その岩のしたにはキラリと何かが光って。
持ち上げると、ちいさな
「メダル?」
「なんだそれ?ゲーセンのか?」

考えることは同じ4人だった。



もう1つ、気になったものがある。

「ちからのひみつ・・・?」

そう題された本が出てきて、所有者が譲ってくれたのだ。
『アリアハンから来たのか。ここらへんは魔物が多いし、
そういう人が持ってたほうが役に立つだろうからさ。』

と。

いいひとだ。
(実際はぱくっています。)

「謎だが、端的な題名だ。」
「ああ。ただ、これだけの本を読むのはちょっと面倒だな。
題名から言えば、城之内だと思うんだけどよ・・・」
「本なんて枕にする以外の価値があるんだ?」
「・・・・・・あとにするか。」

一行は宿へと向かう。

宿。

宿。

手続きを済ませたアテムに思わず聞いてしまう。

「部屋割りは!?」


「全員同室だぜ。」
「・・・チッ」
「バクラの考えてることなんかお見通しだぜ。」

4人は宿屋の2階へ向かうが、
先頭の2人は部屋が何処かを聞くことさえ忘れていて、
とりあえずドアを開ける。

先客がいた、が、
全身を包帯で巻かれていた。

「だ、大丈夫ですか!?」

その包帯の男はうわ言のように、
「魔法の玉があれば」とそれしか言わない。

「海の向こう?」
「たしかに、ゾーマを探すにはこの大陸は小さすぎるよね・・・。」
「成程な。そいつを使って、何かすると何とかして海の向こうへ行けるってことか!」

意識の無い男へと礼を述べて部屋を後にした。

そしてまた他のドアを開けると、女の人がいて、
「す、すみません!!」
「あら、旅の人?」
「は、はい・・・。?」

流石はNPCだ。動じない。

「向かいの部屋の人、なんだか海の向こうに行きたかったらしいんだけど、
失敗しちゃったらしわ。」

とかなんとか。

「それであんなに酷い怪我を・・・。」
「何でそんなに行きたいのかしらね。」
「ですよねー。・・・あ、す、すみません、失礼しました!!」

礼を述べてドアを閉めると、やっと安堵の吐息が零れる。

「やばかったな、なんか。」
「そうだね・・。ノックしなきゃだめだね・・・。」

相手が怒ってなかったにしろ、
流石に礼だけはわきまえよう、と2人で約束していると、
アテムが慌ててやってきた。


「相棒、驚いたぜ、急に消えるから。」
「ごめんね、ちょっと間違えちゃって・・・でもをし聞いたよ。」

合流して、漸くゆっくりと休むことが出来た。




「魔法の玉?」
「うん。」
「誰が持ってんだ?」
「それは何も。」

魔法の玉。

「どこかの洞窟とかか?」
「ああ、その可能性もあるな。ナジミの塔に隠されている可能性もあるし・・・。」
「なじみのとう?」
「城之内君、ナジミの塔はこれから行くところだ。」
「あ、じいさんが鍵持ってんだっけ。思い出したぜ。」

これが役割分担というものか。
まぁ城之内は戦闘で充分役に立っているので、
それ以上の要求は無かった。

「なんだかわからねぇことが一杯あんな。」
「謎のたね、魔法の玉、良くわからないゲーセンのメダル・・・」
「聞けば解るんじゃないか?」
「誰か物知りな人が居るといいね。」

遊戯以外の3人の頭には、
さっきと同じ人物が描き出されて、

「まぁ、おいおい解るだろうよ。」
「そうだよな。」
「無理する必要は無いぜ。」
「??」
「さてと、寝るか。」

何でもなかったかのように遊戯を強引に寝かしつけ、
慣れぬことの連続に疲れ果て、泥の様に眠った。





「相棒、朝だぜ?」
「もう少しぃ・・・zzz。」
「寝てる相棒は殺人的に可愛いぜ。」
「朝からくどいぜ・・・王サマよぉ・・・。」
はっきりとそう告げるバクラが非常に機嫌が悪いのは、

「低血圧なんだよ。」

だかららしい。

城之内は以外にも、というか、流石と言うべきか。
新聞配達で早起きには慣れているらしい。

「バイトが無い朝なんて久しぶりだぜ!」

元気だ。

遊戯を何とか起して、
適当に食事を取ってから、
一行はナジミの塔を目指す。

ナジミの塔には此処らへんのものよりも強いモンスターが出てくるだろう。
そこで
敵との遭遇率が高い森を経由してもう少し経験を積んでから
アリアハンの自宅で一泊し、
ナジミの塔へ万全の態勢を整えてゆこうと考えていた。


だが、
村から南下していくと、
森の中に広い空間を見つけた。

「なんだ此処?」
「人工的だな。綺麗に整備されている。」
「日当たりが悪いって理由でもなさそう。」
キョロキョロと辺りを見回すと、
ふと影を見つける。
「なんだ?」
近づいてみると、

「階段・・・??」

それは確かに地下へと繋がる階段だった。

どうする?と問うまでもない。

「穴があったら入るだろ。」


そう、一行は異議もなくそこへと潜り込んでいった。


2.アリアハン城[*]  4.ナジミの塔[#]
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戦闘を激しくスルー。

遊戯と城之内は仲がいいな。

そして何気なくかげを見せている某社長ですが、
登場はだいぶ先です。
6話くらい後(遅)

暫くはこのメンバーで行きます。


レーベでの拾い物等について、
本の話は嘘ですが、
メダルの方はほぼそのままです。
言葉はちょっとメモに残っていなかったんですが。


書き始めるとそこそこさっさと書けるな・・・



(08.04.05)AL41