○◎●拍手お礼の過去ログ●◎○
このログは、5月14日〜8月7日?まで
一度に3つずつ公開した、拍手お礼駄文のログです。
後編は此方。


当サイトの拍手は勝手に設定したお題に沿って更新しています。
後書きは掲載当時のままです

今回のお題:「車」
総数:12?個・・・残りは暫くお待ちください。
CP:闇表、海表、バク表


スクロールで全部読めますが、ダラダラ長いので
↓クリックでジャンプ!
 1.ブレーキ(闇表)
 2.アクセル(海表)
 3.ハンドブレーキ(バク表)

 4.ウインカー(闇表)
 5.バックミラー(海表)
 6.前方不注意(バク表)




1.ブレーキ(闇表)

*甘め!糖度高め!
*キス有り
*短駄文と設定が異なります!





車に乗るとき、
大切なのは点検だ。

走り出してからで反省して、事故になってからでは遅すぎる。

特にブレーキに問題があるなんて洒落にならない。

ああ、全く持って洒落にならない。



今までブレーキから足を離したことはなかった。
何時だって一端止まって冷静に判断出来るだけの余裕を持ってやってきた。
だが、今度ばかりは俺の失態か。

アテムは隣の人を見やって思う。

すやすやと寝ているが、
僅かに開かれた口元から眼を離せない。


走り出して止まらなかったのだ。


アテムは他人以上の集中力というものは持っていた、だがこれは別の話で、

『キミは、だれ?』

そう問いかけられた瞬間から、ブレーキの存在を忘れていた。

『ボクはゆうぎ!』

子どもの好奇心ではなかったと、今なおそう信じている。
欲しいと思った相手をめがけて、ただひたすら後を追って、
何年経ったことか。
だが、これだけ経っても、全く風化していない心、記憶。

『ま、待ってよ!ボク、男だよ!?』

漸く気づいたものの、ブレーキは壊れていた。

「構わない。相棒が、欲しい。」

ざまぁない。
アテムの心は駄々をこねる少年よりも、
アイドルをで待ちするストーカーに近い気がする。
向こうは逃げるのだ。

そう、遊戯は逃げた。

だが追った。追うほかなかった。
何故なら彼のブレーキは壊れていたからだ。

そして追い詰めた。

『ねぇ、本当に?』
「ああ。嘘はつかない。
俺は、ただ相棒の心が知りたい。別に、結果は求めていない。」

あの時の遊戯は壮絶に可愛かった。
いや、何時だって可愛いのだが、それとは違う、
アテムにしがみついて、耳元で、蚊の鳴くような声で。

『ボクも、好きだけど・・・でも・・・』

脳ミソが麻痺した。
“でも”の後には耳など貸さず、とりあえずそこ等辺の壁に押し付けて、
戸惑う体の自由を奪い、
唇も奪った。

『もう一人のボク・・・』

まるで溶けている鉄の様に顔を赤く染めて、
それが見られるのを嫌だったらしく、
自ら腕の中に閉じ込められてきたのだ。

あの温かさは何時だって思いだせる。


「相棒・・・。」

アテムは寝ている遊戯のかかる前髪をそっと退けて、
額にキスを落とす、
すると紫の瞳がゆっくり開かれて、
恥ずかしそうに呟くのだ。
「今、何した・・・?」
「起きてたのか?意地が悪いぜ相棒。」
「だって・・・。」
キミの隣はドキドキして寝られないよ、と、
顔半分を布団に隠したまま惚気てくれる。

こうなってしまうと、どうにも抑えられなくなる。

アテムは布団を剥ぎ取ると、寒がる遊戯の体を押さえ込んで、
その瞳を確りと捕らえる。

「なに?」

気恥ずかしそうに笑うのが愛らしい。
「布団で顔が見えなかったからな。」
「だって、寒いんだもん。」
そう、もぞもぞと動いて、
遊戯はアテムの体にしがみついた。

きゅうっと抱きついてきた遊戯をそっと抱きしめながら、布団をかけた。

「前はあんなに抵抗してたのにな。」
「もう、抵抗なんて意味が無いんだなって思ったんだよ。」

だって、気づいちゃったんだもん、と
あの時のような小さな声で呟く。

聞き取れたのだが、聞き取れなかったふりをして、聞き直すが、
なんでもないよ、と言う気はないらしい。ただ、
「此処が一番あったかいね。」
と、笑うものだから、
問いただすなんて出来なくて、
抱きしめ返しただけだった。

大切な人とゆくのだから、
ブレーキの点検はしておこうと、思った。



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なんか、書けないなー・・・

最近の文体はどうにも自分のものじゃない気がする。

  










2.アクセル(海表)

プラトニック主義なあなたは逃げてえええ!!

*まさかの強気受け?



「良く似合うと思う。」

「何がだ。」
「何でもないよ。」

言ったところで問いただされても、
この人を納得させられるような理由が有るわけは無いのだ。

「貴様はすぐにそう、何でもないというが、
何でもないのであれば何もいわんだろう?」
「別に海馬君のことじゃないかもしれないじゃない。」

拙かったらしい。

海馬は椅子ばっと立ち上がって、
スタスタとやってくるなり遊戯を捕まえるのだ。

「な、なに!?」
「俺と共にいて、俺以外のヤツのことでも考えていたというのか?」

ああ、そういうことか。
遊戯は妙に納得してしまうのだが、
それが更に気に食わないらしい。

「何がそういうことか、だ。」
「何でもないよ。」
「またか。」

何でもないよ、はもう遊戯の口癖といっても良い。
それを追求されても、遊戯に明確に答えられる術なんかあるわけもなく、
口ごもってしまう。

「うー・・・。」
「フン。」

海馬は、仕事はどうした、と問いたい程に、
どっかりと遊戯を捕らえたままソファに座ったまま、
一向に動く気配を見せない。

これはもう徹底抗戦ということか。

こうなると、遊戯が折れない限り向こうが折れることなどない。
だが、折れてもこの海馬の機嫌を直せはしないとわかっているのだから、
折れ損のような気もする。

それに。

「何だ、楽しそうな顔なんかして。」
「なn・・・ちょっとね。」

何でもないよ、と言いかけて気をつける。
すると、それに気づいた海馬は訝しげな顔をして、
再び問いかけてくる。

「今度は話す気になったか?」
「離されないためにボクは話さないよ。」
「?」
「説明はしないからね。」

珍しく強気な遊戯に、海馬は楽しくなるのだが、
ここで理解できないと負けた気分になってしまう。
基本的に勝負好きな海馬に敗北という言葉は受け入れられないものだ。

「貴様が話すまで離さんが、構わんのか?」
「いいよ、って言いたいところだけどさ、
そんなことしちゃうと磯野さんが困っちゃうかもね。」
「遊戯、からかうのも好い加減にしておくことだ。」
「解ってるよ。」

遊戯は何とか海馬の腕の中で体勢を整えて、
顔が見えるようにすると、
普段強く出る海馬を嘲笑うかのように、
小悪魔の様に笑い、

「だって、ボクがいわなければ、
キミはずっとこうしているでしょう?
独り占めできて、楽しいじゃない。」

海馬はあっさりと術中に嵌められて、凍りつくのだ。

「不満?」
「結構だ。」

今は完全に遊戯のペースで、迂闊に手を出せない。
こうなると海馬も勝てない、決闘でもこうしているときでも。

「強かな人間は嫌いではない。」
「ふーん、嫌いじゃないんだ。」
「・・・遊戯・・・。」
「解ってるよ。」

からかってみただけだよ、と
完全に上手をとられた海馬は、嬉しいのやら悔しいのやら複雑で、
視線は見下ろしているはずなのに、
見下ろされている感覚に陥ってしまう。

こういうのも、悪くはないか。

「ほら、海馬君、仕事しないと。」

何時もは仕事ばっかりして、という割りに。
「身勝手なヤツだ。」
「ボク?」
「他に誰が居る。」
「キミ。」
「何故俺が俺のことを言わなければいけないんだ。」

だって、と遊戯はあっと声を上げてクスリと笑った。

「さっき、良く似合うって言ったでしょ?」

思えばそれが最初だったが。

「キミは少し身勝手くらいが良く似合うよ。」

エンジンはいつもふかして、
周りに何もないかのように飛ばしていくキミは、
「アクセル全開って感じだよねってさ。大したことじゃないでしょ?」

大したことでないのなら、何故言わない、と
海馬はらしくもなく問い返せなかったが、
遊戯の認識はあながち間違っていない気はするのだ。

だが、1つ、
恐らく遊戯が気づいていないことがある。

すっかり脱力した海馬の腕からそっと抜け出ていた遊戯をもう一度捕らえて、
告げた。

「エンジンをふかして飛ばしている車のハンドルを握っているのはお前だ。」

「え?何?」

「“何でもない”。」
「え、ちょ、ず、ずるいよ!」
「お互い様だろう?」
「ボクは言ったじゃない!」

形成を逆転できた海馬は満足そうに仕事へ戻る。

「海馬君・・・。」
「知りたければ家に電話を入れておくことだ。」
「・・・それってさ・・・。」
「ベッドの中で教えてやる。」
「もう・・・。」

呆れつつも携帯を取り出してしまう自分は、
やっぱり海馬瀬人という暴走車に乗せられているのだと遊戯は思った。


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なんか、うん。



次のバク表、悪文だなー・・・

  











3.ハンドブレーキ


*3つのなかで、最も駄目な子バクラ



動け!俺!


バクラはさっきから念じているのだが、
どうにもこうにも体は動かない。

この状態は数分間続いている。

ビデオを見ていたのだ。
丁度見たかった外国の映画をバクラがDVDにとったので、
遊戯がそれに便乗したのだが。

「遊戯?」

すっかり反応を示さない隣の人に声をかけてみるがやっぱり反応はなく、
覗き込もうとするとコテン、と肩に頭を乗せてきたのだ。

「ね、寝てんのかよ・・・。」

ドキドキする。
当然だ。

耳元で寝息が聞こえて、
それをより聞こうと、必死にリモコンへ手を伸ばし、
遊戯を起さないように慎重にテレビを消したはいいのだが、
がくりと肩にかかる重みが増す。

「なんだよ・・・」

日ごろの行いがいいのだろうか。
そもそも遊戯が来てくれただけでいい日なのだが、
こんな状態になるなんて、運がいいというほかない。

確かに今の状態は生殺し以外の何でもないが、
ちょっと動けば遊戯は自分の腕へ体をあずけることになるだろう。

最高だ。
こんなに良いのは中々ない。

至福を楽しんでいたバクラだが、
やはり彼の日ごろの行いは大してよくないらしい。

肩に腕を回すくらいなら、許されてもいいと思うのだが、
バクラがさっきから何度念じても
体は全く動かないのだ。

胸のうちに熱い気持ちが溢れ出て、
「寝てるからからかってやろうと思ったんだよ」といえば良い話だと、
理性はそこに転がしてしまったのだ、
もう感情のままに触れることを邪魔するものは何もない。

それだというのに、体が全く動かない。

「(動けよ、俺!)」

だが硬直したままだ。
闘い続けて、漸く僅かに体が動いたのだが、

「!!」

振動でふらり、と遊戯の腕がしなだれて、
バクラの手に触れたものだから、
思わず背筋が伸びる。

「(こいつ、起きてんじゃねぇだろうなぁ!?)」

聞こえていたはずの寝息は、
自分の鼓動で聞こえない。
だが、小さな胸は一定のリズムを刻んでいて、
気持ちよさそうに寝ているらしい。

余計に触れたくなる。
だが、
動かない。

「(なんでだよ!)」

答えは他の誰が知っているわけもなく。


そのままどれだけの時間が経ったか知れないが、
「んー・・・あれー・・・?ボク、寝ちゃった・・・?」
「・・・ああ・・・。」

漸く遊戯が眼を覚ました時に、
何故かバクラは疲労感たっぷりだった。

「ごめんね、重かったよね!」
「そういうわけじゃねぇし。気にすんなよ・・・。」

眉を顰めて見上げてくる遊戯に、
バクラは
意気地なしにも程があると自分を苦笑しながら、
大丈夫だと答えるしかなかった。

「(偶然の恩恵に甘えるなってことか。)」

そんな教訓を得て、
とりあえず途中で眠ってしまった遊戯をからかうことにしたのだった。



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説明しないとわからないと思うのですが、
アクセルを踏んでも、ハンドブレーキをおろしてないと進みません。
たしか。

卒業検定でそういうドジはしないようにしましょう。
したヤツが居るのかって?
やーだなー、居ないに決まってますってへ、へへ;;

あれで受かったのは奇跡的だ。

  











4.ウインカー(闇表)

*キス有リ


彼は表情は豊かで、誰にだって愛想が良くて、
いつも笑っていて、可愛らしい恋人だ。

彼という代名詞は、間違いじゃない。
俺は知っている。
多くの人が、彼を求めているということを。
だが、そんなもので譲れるような、安い感情ではない。

そして、その心を奪えたのは他ならぬ俺だけだ。

「ねぇ?」
「あ、どうかしたか?」
「うー・・・今、何か考えてたでしょ?」
「・・ああ、まぁな。よくわかったな。」

俺はよく、特に城之内君辺りに言われるが、
どうにも表情があまりないというのだ。
確かに決闘中は、相手を撹乱させるためにあえて表情を作ることはするが、
普段はそんなつもりもないし、
かといって無表情を決め込むつもりもない。

「俺に、表情はあるか?」
「え?」

意外だったらしい恋人は、一瞬驚いた後で、
クスクスと笑い、
俺の袖をきゅっと掴んだ。
「んー、どうかな。」
反対に俺も意外だった。
まさか相棒にそんな事を言われるとは思っていなかった。

「そんなに、無表情か?」
「そうでもないと思うよ。ボクの前では、ね。」
「?」

相棒はまたクスクスと笑って、無邪気そのものだ。
相棒にはこんなに表情があって、
俺と相棒が似ていながら異なるというのは、こういうところなのだろうか。
「ボクは、別にキミが無表情なんて思わないし、
怒ったりしてるのは解るとおもうよ。
ただ、嬉しい時ってあんまり顔に出さないって言われてるよね。
でも、ボクにはよくわかんないや。」
「だが、相棒が一番俺を、」

見ているのではないのだろうか?
見てくれているのだと思っていたんだが。

「ボクは、見すぎちゃってるのかなって。
なんていうかさ、ボクは、他の人にはわからないキミの表情がわかるくらい、
キミを見ているよ。」

「相棒・・・。」

嬉しい以外、なんと言えばいいのだろうか。
まさか相棒の口からそんな言葉が聞けるとは思っていなくて、
胸のうちが熱くなる。

この気持ちは、表に出ているのだろうか。

「相棒、じゃあ、今、俺はどんな顔をしている?」
「え?」

問うと、相棒はハッとしてから、ポッと赤く染まる。
「何だ相棒?」
「え、だって、もう・・・恥ずかしいじゃないか。なんか、思い込みだったりしたらさ。」
「多分あってる。」
「そう?でも、」

やだ、恥ずかしい!と、掴んでいた袖をパッと離して、
先に行ってしまう。
だが、ふっと振り返った顔は、まるで追って来いといわんばかりで、
俺はそれに挑むように、その後を早足で追った。

次第に足が速くなって、結局は駆け足で追いつき、腕を掴んだ。

「相棒には負けられないぜ。」
「何それ、どういう意味?」
責めるような言葉には戯れが混ざっている。
「そうだよ、キミはボクを追いかけてる場合じゃないよ。
ボクがキミを追いかけるんだから。」
「そいつはどうかな。」
「何で?」
「・・・俺は相棒の表情に追いつくだけで精一杯だ。」
「ははっ、キミはよくわかんないね。」
ケラケラと笑って、俺も無性に楽しくなって、
子どもの様に笑っていた。

笑っている自分がおかしくて、笑いを堪えようとすると、
遊戯はぴたっと足を止めて、複雑な顔を見せた。

「どうした?」
「んー、なんかさ、ボクはワガママだ。」
「何故?」
「キミの表情が、ぜーんぶ、ボクにしか解らないサインだったらいいのに、って、
あれ?なんか、何言ってるんだろうね。」
「何って、俺にとってうれしいことを言ってるぜ?」
「もう、キミは・・・。」

そう、俺の顔を見て、恥ずかしそうにそう言うとまた、
今度は俺の手をとって引っ張ってゆく。
近くの人影のない路地裏へたどり着くと、クルリと振り返って、
「1回、だけだよ・・・?」

やっぱり、俺には表情があるらしい。
いや、それは表情と言うよりも、相棒にしか解らないサインと言うべきかも知れないが、
相棒にさえ伝わればいい気もする。

だから、とりあえず、
恥ずかしがりやな恋人を電柱の陰に隠して、
俺のサインが求め、そして許された1回だけに、
喜びを言葉にはせずただ詰め込んで、唇伝えに伝えると、
彼は顔を真っ赤にして、微笑んでくれた。

そして俺は、サイン越しで2回目を要求した。


--------------

全然ウインカーではない件。

前の車につられて右方向指示器をだしながら、
左車線へ。
教官「右?」
41「左です。・・・・・・サーセン、フヒヒ」

笑い事ではない。

  












5.バックミラー

*社長が常人ではない(=変人)




いい日、というのが存在するのではないか、と俺はそう思った。


あんなに小さな鏡に映った瞬間を逃さないというのは、
運命じみているとしか思えん。

俺は会社へ戻る途中、遊戯を目撃した。
それも、偶然目に入ったバックミラーによって、だ。

あんな偶然に俺に見つかるとは、
よほど見つけて欲しかったのだろうと思い、
その場に停めて、驚き抵抗もままならなかった遊戯を車へ連れ込んだ。
取り巻き共、特に凡骨が喚いていたが、問題ではない。
そもそも俺の遊戯と2人で町を歩くことの方がよほど問題だ。

俺のこの行動をモクバはよく「拉致」というのだが、
恋人を車に乗せることの何が拉致なのか俺には良くわからん。

「海馬君!」
「何だ?」

だが、この恋人は非常にお怒りのようで、
一応怒った表情を作っているらしいことは俺にもわかったが、
この容姿は罪なものだ、
ただ可愛いだけだ。

「もう、キミはどうしてこうやって突拍子もないことをするの?」
「なんだ、不満か?」
「不満だよ!」
「何故だ。」

久しぶりに恋人に会って、何が不満だというのか。
俺には理解できん。

「城之内君だってあんなに驚いてたじゃないか!」

下らん、そんな理由で、何故俺が怒られなければならないのか。

「驚かせておけ。結局何があっての凡骨は一々オーバーなリアクションで驚くのではないのか。」
「・・・ボクは本当にわからないよ。」
「何がだ?」
「キミの考えてること全般だよ。」
「だが、お前はそれを聞こうとすることをしないではないか。」
「・・・。」

遊戯は何か言いたげだったが、
何を思ったのか盛大なため息だけついて、窓へ頭をもたげた。

「あのさぁ?」
「どうした?」
「何でボクを連れ込んだの?」
「お前がバックミラーに映ったからだ。」

事実だというのに。

「・・・解ったよ。ボクはきっとキミを理解できないってことが。」
「何故だ。」
「明確な理由はないよ。」
「フン。」

遊戯はなにやらぐったりしていて、
俺はなんだか、捕らえた虫が籠のなかで動かないのを見ている感覚に襲われた。
「愚痴愚痴と文句をいうが、抵抗をしなかったお前がいけない。」
「抵抗する暇さえなかったじゃないか・・・。
まぁ、もういいけどさ。皆には明日説明するよ。」
「・・・明日、か。」
「え?」

取り巻き共は結構なことに、毎日遊戯と顔を合わせ、
まともに話を出来るではないか。
だというのに、俺はまともに遊戯と会話も出来ず、
その上何時だって、「皆と遊ぶ約束が〜」等と言って来る、
ではどうすればいいというのか。

「お前が明日俺の元へ来るというのであれば、
此処で降ろしてやってもいい。」
「え?」
「こうでもしなければ、俺はお前に会えんではないか。」
「あ・・・。」

仕事が忙しい。
学校など行く暇はない。

これではお前に会えない。

「お前から俺に会いにくればいい話なのだが。」
「・・・解ったよ。」
「何?」
「今度は、ボクから遊びに行くから。」

今、なんと言った!?

「だから、ボクから遊びに行くから、もう、
変なことはしないでね。」
「言ったな?」
「え?」
「いや・・・。くる時はあらかじめ連絡しろ。」
「え、あ、うん。」

そうでないと、用意というものがあるからな。

「海馬君?」

今日のことも、今度のことも、
バックミラーのもたらした恩恵ということか。
甘受してやろう。

その後遊戯が何かを言った気がしたが、
聞き返すことは辞めた。




--------------

遊戯の言ったこと→「海馬君・・・変。・・・何時ものことか。」


最初は、恋人とか言いつつ、
恋人じゃない設定だったんですが、
それだと最強に過度の妄想+変態ですので、
一応恋人設定としておきます。

・・・そうじゃない方が面白いと思うんですが・・・;

取り巻き共と居たのに、2人で歩いているというのは、
社長にとって、取り巻き→背景、凡骨→一応人、
という概念の違いによるものです

  








6.前方不注意

いっつも、
何かと距離を置いて見てきた気がする。

何となく正面を向いてみるのが怖くて、
後姿だったり、ガラス越しだったり、
少し離れたところから見てきたんだとおもう。

けど、
そんなもんは結局虚像っていうか、
俺が見ても、向こうは見てくれてないんだよな、って、
バカみたいな話だが、改めて気づいた。

こうやって帰りに並んで帰ることも珍しくなくなってきたが、
何かと俺の方が一歩二歩先を歩いてて、
顔なんか見て話をすることはない。
そもそも・・・
情け無い話だが、
顔を見て離すことはまだ出来そうにない。
いや、それ以上に、話が途切れて、ぎこちない感じだ。

なんつーか、息がつまるっていうか、
無意味に緊張するっていうかよ。
考えても見ろよ、あの身長にあの眼だぜ?
男にしちゃあ別に背の高くない俺が見上げられるんだぜ?

眼を見ろなんて無理に決まってんだろ。バカが。

呼ばれても半分くらいしか振り向かないで、
上手い具合に誤魔化しつつこうやって帰るので精一杯なんだよ、ったくよ・・・

―・・・!!―

なんだか遊戯の声が聞こえる気がする。
そりゃあ、一応一緒に帰宅してんだから当たり前かもしんねぇけど。

―バクラ君!―

なんか後ろで俺を呼んでる気がするが、
振り向いても見ろ、
あの視線に色んなもんが溶かされそうだ。

―バクラ君!!―

そんなに必死に呼ぶんじゃ無ぇよ、思わずふりむいちまうじゃねぇか、と
思ってた俺は何なんだ。
いきなり制服の裾を引っ張られて、
呆気ないくらいによろめいて、
いきなりのあんまりの行動に、怒り半分で振り向いた瞬間、
遊戯の瞳がすぐそこにあって、
俺の真後ろを車が何台も駆け抜けて行った。

「!?」
「もう、あぶないなぁ・・・。」
「え、あ、何?」

俺は事態を把握できずに、
眉を顰めていた遊戯を、何故か凝視していた。

「信号、赤だよ?」
「えっ?」

再び前方に向き直ると、確かに赤だ。

ああ、だから車が走って、って、
「もう、考え事してて轢かれちゃったら大変じゃないか。」
そりゃ、そうだけどよ。
「それで、か。」
「何度も呼んだんだよ?なのに俯いたまま全然気づいてくれないから、」
ゴメンね?驚いた?と、
お前のお陰で助かったってのに、
何でお前が申し訳なさそうな顔してんだかわかんねぇよ。
「悪ぃな。」
「へへ。当然のことでしょ?」

間近にあるは、あの瞳あの笑顔。

「・・・!!」
「?」

あんなに見られないと思ってた顔を、
俺は知らぬ間に凝視して、そのうえ眼を見て話をしていた。

「ッ・・・!」
「どうしたの?」
「な、なんでもねぇ・・・。」

かぁー・・・やっぱしダメだ・・・見てらんねぇよ・・・
こんなんで俺、大丈夫なのか・・・?

「バクラ君!」
「あ、あぁ!?」
「青だよ。」
「あ、ああ・・・。」

信号は変わっていた。

「大丈夫?体調悪いとか?」
「いや、そんなんじゃねぇけど。」
「けど?」

お前のこと考えてると、何度事故っても足りそうにねぇなぁんて、
いえるわけがねぇ。

「何でもねぇよ。」
「大丈夫ならいいけど・・・あ、早く渡らないと!此処の信号短いんだよね。」

遊戯はそういって俺の前を走っていった。

俺は、それを追った。

追う方が安全だと思った。


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余所見危険!

小学生の頃は本読みながら、
今は携帯見ながら下向いて歩いてて、
停車中のトラックに頭をぶつける
もしくは、眼前にトラック、というのは、
通過儀礼ですよね?(お前だけだ)