○◎●拍手お礼の過去ログ●◎○
このログは、2月5日〜4月13日?まで
一度に3つずつ公開した、拍手お礼駄文のログです。
無駄に長くなったので、3分割しました。
→
1編は此方。
→
2編は此方。
総数:20個
CP:闇表、海表、バク表
スクロールで全部読めますが、ダラダラ長いので
↓クリックでジャンプ!
13.試練(闇表)
14.全滅(海表)
15.バグ(バク表)
16.宝箱(闇表)
17.レベル上げ(海表)
18.ラスボス(バク表)
19.エンディング(闇表)
20.二週目(海表)
00.オマケ 不戦勝(表総受け・闇表)・・・拍手のみの公開でした。
13.試練(闇表)
流石にドン引きされた。
暗いんだから大丈夫だろ?と、甘かったか。
映画の内容がさっぱり入らない。
元々あんまり興味が無いからか?
確かに今日は遊戯が見たいというから来たのだが、
アテムとしては、兎に角遊戯が見たくて仕方が無いのだ。
でかいスクリーンの光に照らされて、
ドキドキしながら見ている遊戯の横顔は、
アテムを違う意味でドキドキさせてくれる。
横から見ると、遊戯の長い睫が良く見えて、
手を握り締めているのが、可愛いの何の。
ファンタジーの主人公が死ぬわけ無いんだから、
そんなに手に汗かかなくても構わないというのに。
映画館は暗い。
空いているところを選んだのだ、人も少ない。
映画館の中で何気なく、遊戯にキスの1つもしようと思ったのだ。
そしたらドン引きされた。
何考えてるの!と手で牽制し、
すっかりそっぽを向いたままだ。
映画が終わっても機嫌は直って居らず、
つーんとしている。
流石に非はあったと思うのだが、
ちょっと位許してくれたっていいだろう?
一応、恋人なのだし。
と、いうのはアテムの価値観で、
「ボクは人前でしたくないの!外でとか、もう駄目!」
頑なな態度でそう宣言する。
遊戯は2人の関係を知られることを嫌がっている。
理由はわかるが、
どうせ元々仲がいいわけだし、ちょっと位いちゃついていようが、
何時もの過ぎたスキンシップとしか思われないと思っているのだが。
「絶対嫌だからね!」
嫌だいやだと言いながら、
自宅ではキスを許してくれたのだ。
何とかこぎつけて、外でもさせてくれないだろうか。
だが、その前に、
兎に角今人を置いてスタスタ先へ行ってしまった
不機嫌な恋人の機嫌を直す必要がありそうだ。
その先に何時もの可愛い笑顔があるというのなら、
そんな試練は喜んで受けてやろうと、
挑む気持ちで後を追った。
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相棒の機嫌を直すのは至難の業。
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14.全滅(海表)
散々だ。
海馬が無意識に零した言葉は、彼の心情を的確に示していた。
向こうとしてはお友達から始めて、漸く此処までこぎつけたと言うのに、
最後の一手が出せずにいるのだ。
間合いに入ってからは自信がある。
邪魔なものは無いのに、踏み込めない。
踏み込めれば、
海馬はとうとう遊戯を手に入れられる。
焦ってはならない。
だが、混乱しているのは事実か?
最近出しても出しても無効化続きで、
手という手が奪われているとしか思えないのだ。
戦局は悪くない。
上手い具合に遊戯を誘導して、海馬には攻撃の機会があるというのに。
何かとポーンに邪魔されているのか?
キングはひょろりと逃げてしまう。
ルークでせめてもひらりとかわし、
ビショップで射程圏内に納めたかと思えば、右に移動し、
気を取られれば、ナイトはすでに居ない。
海馬は一向に遊戯の戦術についていけない。
無論、攻撃の準備は整っている。
あと一歩遊戯が動けばいい話なのだが。
だが、攻撃もしてこない遊戯に隙は無い。
ああ、そう、今日だってそうだ。
海馬は車の中、1人ごちる。
以前に話はしていたのだ、
テストデュエルをしたいから来て欲しいと。
だが、
海馬のミスか、
遊戯が毎日あけているわけなど無いのだ、
日付を決めておけばよかったのだがそうもいかない。
いつからいつまで空けておけといえばよかったのか?
遊戯は今日からお友達共と旅行に行くらしい。
自分の知らぬ場所へと楽しそうに出かけてしまった。
携帯で連絡は取れるだろうが、
遊戯は人に遠慮する人間だから、あのお友達共の前で海馬と連絡は取らないだろう。
何せ、あの想いの人は、友人が多いようで少ない。
普段連絡を取る人間と旅行へ行くのだ。
1人で携帯を弄っていれば、怪しまれるのは当然で、
そこへあの凡骨が、覗き込むのは目に見えるようだ、腹立たしい。
恋人でなければ、遊戯を束縛することどころか、
まともに話す時間も確保できないと、そう身に染みる。
一刻も早く、手に入れたい。
しかし、
デュエルのテストという美味しいはずの、
クイーンの駒も消え去った今、
海馬の手元には、キングしか残っていなかった。
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そういや、チェスソフトあったなー、と思い引っ張り出しても
インストールどころか起動しないという罠
何故だ?
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15.バグ(バク表)
誰も居ない町。
信号は消えており、車もない。
気味が悪いと思わないのは、バクラの性格上である。
「なんか、廃墟っぽくっておもしれぇじゃん。」
とりあえず
中央分離帯を歩いてみたり、
そこ等辺の窓ガラスを壊してみたりする。
自販機をこじ開けてやろうかと思ったが、
バールのひとつも無いので諦めた。
こうも楽しんでしまうのは、
彼がオカルト好きの楽天家、という理由だけではない。
彼はわかっているのだ。
これが、夢だと。
普段のストレスを夢で晴らせるなど、願っても無い最高な状況。
「こういうところに、遊戯がいりゃあ、いいのによ。」
自分の中で作られた遊戯の像、
それであれば、簡単に自分を受入れてくれるだろう。
まぁ、酷い虚しさと深すぎる罪悪感に苛まれるのは解っているのだが。
そんな風でも遊戯を思い出してしまうと、
今日も起きて、学校へ行くか、と至るのだ。
楽しい夢から目覚めて、
何時もの様に家をでると、何時もの様に獏良にあう。
そんでもって教室へ辿り着くと、
「あ、バクラ君、おはよう!」
夢ではないかと思うような、笑顔を向けて、此方へ歩み寄ってきて、
荷物を置いたバクラの手をとり、教室を飛び出す。
「遊戯?」
「いいから、ちょっと来て!」
人気の無いところまで辿り着くと、
くるりと振り返って、
紫の瞳で見上げてくる。
「遊戯?」
「あ、あのね?昨日から、すっごい覚悟を決めてきたんだ。」
朝から目の下を赤く染めて、
何可愛い顔してるんだか。
「あ、あのね?ボク・・・その、引かれちゃうかもしれないんだけど、
でも、」
でも、伝えたくって。
これは、非常に美味しい、いい感じだ。
バクラの胸は高鳴る。
まさか、遊戯から、こんなことを。
「ボク、バクラ君のこと、s」
・・・・・・・・・・・・
フリーズ。
「・・・・・・・・・え?」
目の前には頬を赤くそめ、口が半開きの遊戯。
固まっている。
「ちょ、ちょっと待て!?」
自分以外のものは全て止まってしまった。
「待て、まじで、え、何?夢?マジで?
ちょ、夢でも良いから兎に角、最後まで聞きたかったんだがよ!?」
無情だ。
全身から汗がどっと吹き出て、
慌てて目が覚めた。
春の陽気になったというのに、寒気がする。
「マジかよ、ちょっと残酷すぎるだろ。」
以降、バクラは数日間、不眠症になった。
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王様「バクラだけ救われるのは悔しいぜ!」
バグは業としたっていいけどさ、
フリーズはキレてもいいよね?
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16.宝箱(闇表)
幼馴染と称しあう2人だが、
彼らが一緒だったのは、小学校の4年までで、
思えば短い時間だった。
ただ、それでも友達の枠を超えた信頼を互いに持っていて、
それが高校に入ってなお変わっていないというのは、
ある意味奇跡的だと思う。
だが、10歳というのは互いの都合や大人の都合も
ある程度わかるようになってくるころで、
元より敏いアテムはそろそろ両親が故郷へ帰ろうと考えていることが解った。
アテムにとって故郷は日本だ。
向こうで生まれたといっても余り記憶には無いし、
大切な物は此処にしかない。
だが、アテム1人が粘ったところで、
帰国が取り消されるわけもなかった。
帰国の時が近づくたびに
遊戯と過ごす一分は
今までよりもずっと貴重なものへと変わっていく。
時折ふと悲しげな表情を浮かべるアテムに、遊戯が気づかないわけはなく、
仕方がなしに伝えたのだ、帰国を。
だが、遊戯が非常に前向きで、
絶対また会えるとそう約束してくれて、
再会した時に一緒に開けようといって、
2人で、遊戯が大切にしていた箱に何だか色々詰めて埋めたのだ。
よくあるものだったが、結末もよくあることで、
「折角埋めたのにね。」
「ああ。」
高校になり再会した2人は、
互いの思い出を語り合ううちに、その存在を思い出したので、
早速その場所へ向かっていっても、
マンションが建っていたのだ。
業者を恨む理由などないし、
子どもが勝手に埋めたのだから、
起こる道理もなく。
2人は割りとあっさりしていた。
「なに埋めたんだっけな。」
「俺もあまり覚えてないが・・・不思議だな、埋めたことだけははっきり覚えてる。」
「ね?そう、何処に埋めるか決まんなくってさ。」
「此処らへんはもう殆どコンクリートで舗装されてたしな。」
「ボクんちにも埋める場所なんかなかったし。」
箱は出てこなかった。
だが、つけば2人の口からは面白いほどに思い出が溢れ出てくる。
「あれが見つかったら見つかったで、話題は一杯あったと思うけど、
箱に詰めたよりも、もっと多くの思い出は充分にボクに中に眠ってるよ。」
「そうだな。」
それに、
これから箱に詰めきれない位に、
多くの思い出を2人で作っていけばいいさ。
遊戯もアテムもそう笑って、
また思い出を語りながら遊戯の自宅へと帰っていった。
歩いてきた時間よりももっと長い時間が、二人の前には待っている。
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何か埋めると、
気になってしまって、すぐに開けてしまう。
これはもう野生的な本能だよね?(いいえ。)
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17.レベル上げ(海表)
※お題1とちょっとリンク
海馬は決めたのだ。
だが、
未だに活路が見出せない。
思えば、
戦いにすでに敗れている。
遊戯を落とす以前に、
自分が落とされていると、海馬は改めてそう感じたのだ。
一方的に遊戯に惚れ込んでいるだけで、
敵意の無い相手に強引に刃を向けたところで、
空気を切っているようなものだ。
「どうかしたの?」
遊戯が社まで遊びに来てくれるようになっただけ、
喜ぶべきなのだろうが、
その分、こんなにチャンスがあるというのに、と思うたびに、
自分のレベルが低いのだと痛感する。
「何でもない、気にするな。」
あれから色々考えたのだ。
どうすれば遊戯が意識してくれるのかもわからない。
されているのかどうかも確認が出来ない。
「海馬君、疲れてる?」
「そう見えるか?」
「うん。何か何時もより頭が重そう。」
確かに遊戯に関して以外も割りと考えることが多くて、
疲労がたまっているのは確かだが。
「お前は、察しがいいのか悪いのか・・・。」
「?」
「いや・・・。良くわかったな。」
「ボク、結構海馬君のことよく見てるよ。」
ドキリとした。
遊戯の言っている意味と海馬の思う意味が違うことは解っている。
だが、意識してくれているのだろうかと思ってしまう。
そうだ、遊戯はいつだって誰にだって、
無意識に思わせぶりなセリフを言って、
周りの人間を誤解させるのだ。
そんなことは堪らない。
自分が遊戯を奪う前に多くが遊戯によってたかるなど、
それはそれで美味しいが、
生憎余裕が無い。
その紫の瞳が他の誰を捕らえぬよう、
「そのまま見ていろ。」
俺だけを見ていればいい。
「?」
「・・・なんでも無い。」
このまま戦い、何度でもぶつかっていれば何とななるなどと、
どうやら甘いようだ。
時間が無い。
他の誰にその瞳を奪われる前に、
体制を整えて、一気に攻め落としてやる。
海馬の鈍くなった頭は、確かにそう決意した。
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社長、もうちょっとがんばれ(管理人の責任ですが。)
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18.ラスボス(バク表))
決めた。
今更迷ってる場合じゃねぇ!!
決死の覚悟だ。
遊戯を呼び出したのだ。
この、思いを伝えようと。
自分は此処まで何とか戦ってきたと思う。
元より分が悪すぎる戦いだった。
思えば自分には何もなかった。
昔から知り合いだったわけでも、
話のタネを持ってこられるような立場でもなく、
会話力も何もなくて、
ただの一生徒だった。
若しかしたら同じ教室で、ひっそりと、
遊戯を目で追って、周りの人間を羨んで、
でも何も声をかけられずに終わっていたのかもしれない。
従兄弟の関係から接したたったの一回の機会を、
上手い具合に絡めとって、
2人だけでいても充分話題に困らなくなるまで、
そこまでこじつけたのはやっぱり自分のお陰だ、
自惚れだとは言わせない。
無論、
自分の気持ちを伝えて、引かれる覚悟はある程度できている。
その時に言い訳を出来るほど器用ではない。
嫌われたら永遠にそのままだという不安は常にあったし、
しかしそれ以上に遊戯に伝えたくて仕方が無いのだ。
昨日の晩は何度も己に問い直した。
本当に遊戯がすきなのか?と。
嫌われる覚悟は出来ているのか?と。
そのたびに出来ていると心は答える。
いくらでもダサいヤツになってやる。
恐らく、自分は、今言わなければただの友達で終わってしまう。
せめて、
遊戯の記憶に深く色濃く残りたい。
まぁ、遊戯のことだ。
男に告られたのなど一度や二度じゃないはずだ。
「バクラ君?ゴメンね、遅れちゃった。」
駆けて来て頭をかきながら照れくさそうに照れ笑いして、
「悪ぃな、呼び出してさ。」
「大丈夫だよ?それで、」
「ああ。」
寄りかかっていた体を起して、
真っ直ぐに見据える。
「あ、なんつーか、変な話なんだけどよ。」
「うん?」
「俺は、」
その時、一陣の風が吹き抜けて、
咲き始めた桜がヒラリと散ってしまう。
その時、
縁起の悪さよりも、
その花びらの中に立っていた遊戯が、
壮絶に美しいと思った。
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遊戯はやっぱりラスボスだと思うわけです。
最難関。
どうなったかは、ご想像におまかせします。
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19.エンディング(闇表)
始まったら、終わるものだ。
何事も。
画面はスタッフの名前がズラズラと流れていく。
背景は作中のムービーがセピア色になっていて、
「なんか、寂しいね。」
育ててきた仲間、何だかんだ気に入っていた敵。
「またNewGameでも選べば居るんだぜ?」
「そうだけどさ。」
それとは違う。
「俺たちにとってはエンディングでも、主人公も新しい旅立ちなんだ。」
彼らは旅に出た。
それぞれ、新しい道を見つけて。
ボクらも、そうなるのかな。
高校を卒業したら、皆違う道へ行くのだろう。
杏子はアメリカへ行くといっていたし、
城之内君は働くだろうし、
他の皆はわからないけど。
アテムは、どうするんだろう。
ボクは、どうなるんだろう。
寂しい。
終わってしまうのが。
「皆、バラバラになっちゃうのかな。」
「?」
「いや、ほら、高校卒業したらさ、皆夢に向かっていくんだ。」
「そうだな。でも、それは、終わりじゃないぜ。」
だってそうだろう?
「高校を卒業したって、俺たちの中には終わらないものがある。」
だが、始まったものはいつか終わってしまうのだろう?
「でも、」
「終わりは、別れじゃない。始まりだぜ、相棒。」
木が枯れ葉が落ちても、
葉は木が育つための糧となり、そこで生き続ける。
皆が別れても、
記憶や経験は、これからを生きていく大切な力。
互いが離れてしまっても、
記憶が消えていってしまっても、
それによって変わった自分自身はそこにいる。
自分の中に、意識せずとも生き続ける。
ずっと、一緒だ。
「出来ればずっと隣がいいけど、それはやっぱり理想論だ。
でも、それでも構わないだろう?」
届かなくてもいい、近づこう。
その為に努力は惜しまないから。
そういえば、
遊戯もふっとわらって、
「うん。」と力強く頷いた。
スタッフロールは流れ終わって、
画面にはFin.の文字が浮かぶ。
スタートボタンを押そう。
終わりはいつだって、始まりだから。
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遊戯王は良い終わり方をしたと思います。
潔いと思います。解り易いし。
ドラマでも最近は、続編を作れるような、割と曖昧なものが多いと思うんですが、
悲痛ではない、始まりの別れという
見てる側は寂しいけれど、
思えば自然な終わり方というか。
遊戯の壮大な一歩だったんだな、と、最後のコマをみて思います。
個人的に、グレンラガンとガンソードもそうでした。
もっと見たい、でも、彼らは新しい一歩を踏み出したんだから、
続きを求めるのは酷だよなっていう。
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20.2週目(海表)
その別れは前触れが有ったような無かったような、
何時かは起こると思っていたのではあるが、
起こらないで欲しかったことには違いないのだが。
数日前、
海馬瀬人はふられた。
一応、付き合っていたのだ。
それを、斧で断ち切るかのように。
恋人はだいぶお怒りで、
しかし相手の器の大きさに甘んじていた海馬は、
それに対処する術を持っておらず。
要は三行半を叩きつけられたというべきだろう。
電話をして謝ればいいのだが、出来ない。
メールも着信は拒否されており、
顔を合わせられない。
「こちらの言い分も聞いたらどうなんだ。」
そう、数日前に会話を思い出しては腹が立ち、1人ごちるが、
だがその怒りは、相手に対してだけではなく、
自分自身へも向けられていた。
相手、遊戯は、一度も文句を言わなかった。
だから、何が不満なのか解らない。
恣意的だったのだろうか。
余りに時間がなかったからだろうか。
解らない。
あの時の言葉を何度考えようとしても、
海馬にしては珍しく、冷静でいられないのだ。
悲しみの色など見せず、まるで事務的に、
「別れよう」と言って、
「そのままの意味だよ。ボク達、別れようよ。」
「理由?キミだって解ってるでしょ?」
「それでいいよ。これまでだよ。」
それだけ言って、
さっさと部屋を出ようとする。
唖然とした海馬にはそれを制する間もなく、
ただ振り向くことなく、
「楽しかったよ。」とだけ言った遊戯をそのまま見送ってしまったのだ。
せめて、理由が欲しい。
勘違いであって欲しい。
そうであればその誤解を解いて、
また傍にいて欲しい。
では、その理由が正当なものであれば?
もう一度。
海馬は思い立つなり、上着を着て、
制するメイドを振り切り、遊戯の家へと歩いていく。
手に取った上着ではまだ少し肌寒かったが、
冷たい空気は、その心を落ち着かせてくれた。
時間から言えば、寝ているかもしれなかったが、
まだ起きているかもしれない、微妙なところだ。
遊戯の家は既に電気が落ちていて、ひっそりとしている。
遊戯の家の前、彼の部屋の窓が見える場所から、
電話をかけた。
何を言うのかさっぱり決めていなかった。
コールの後に出た遊戯の声は酷いものだった。
携帯の窓にふった相手の名前が見えれば、
流石に不快にもなる。
ただ、それでも電話に出てくれたのは、
一重に彼の人のよさと言えた。
『何?』
「今から会いたい。」
『やだよ。もうこんな時間だよ。』
「お前はそこに居て、窓さえ開けてくれればいい。」
『窓?』
カタンと音を立てて、窓が開かれる。
夜でも紫の瞳は光を宿して、
確かにかち合った。
久しぶりに見る顔は記憶のものよりも、
ずっと無愛想で、
だが、何処か悲しそうで。
己の用など忘れて、そればかりが気になってしまう。
「遊戯、何かあったのか?」
「何かって?聞きたいのはこっちの方だよ。」
「そうではない。悲しいことでもあったのか?」
「そうだよ。悲しいよ。でも何?こんな時間に。」
「話があって来た。」
何の話かなんて遊戯でもわかる。
「単刀直入に言おう。やり直したい。」
自分は、ふられた理由を聞きに来たハズなのに。
「どうして?」
「お前が好きだからだ。それ以上の理由は無い。」
自分で笑ってしまう。
何故理由が無いのだろう。
「お前が俺をふった理由を言わないのであればそれでいい。
お前が俺をふろうがなんだろうが、俺の気持ちは変わらない。」
ただ、
「0から始める気などない。1でもない。
今までの経験も何も、引き継いでいきたい。」
遊戯はクスクス笑い出して、
「海馬君は可笑しいや」というのだ。
「駄目だよ、海馬君はそんなにかっこ悪いとこ見せちゃ駄目だよ。」
「構わん。お前の前でなら、なんでもな。」
どうしてそこまで、ボクを求めるの?
怖くて仕方が無い。
ボクがキミを傷つけるんじゃないかって。
でも、それは思いすごしなのかな。
海馬君という人は、想像以上に強い人なのではないかな。
もっと、見極めるべきじゃないの?
「海馬君、いいよ、やり直そう。」
「遊戯・・・。」
「でも、恋人未満からだからね。」
「構わん。」
何度でも、落としてやる。
遊戯はふふっと笑って、玄関まで迎えに来た。
笑みも、とったその手も温かかった。
もう一度、この人を自分のものにしてみせよう。
そう、思った。
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長いですが。
まぁ、一応お題っぽいRPG編最後なので、長くてもいいよね。
遊戯は、中の人つながりじゃありませんが、
ヤマアラシ的なんじゃないかと思うのです
近づきすぎると傷つけるのが怖くなって、
思わず引いてしまうという。
20回のうち、7回海表があったんですが、
2回喧嘩してますね。
でも仲直りだのなんだの、幸せな奴等め。
これで『PRGっぽい単語でお題』20題完了です。
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