○◎●拍手お礼の過去ログ●◎○
このログは、第弐回お題っぽいシリーズとして
一度に3つずつ公開した、拍手お礼駄文のログです。
後編は此方。

『色でお題』編(全9話予定)

総数:10個
CP:闇表、海表、バク表


スクロールで全部読めますが、ダラダラ長いので
↓クリックでジャンプ!
 1.赤(闇表)
 2.橙(海表)
 3.黄(バク表)

 4.緑(闇表)
 5.青(海表)
 6.藍(バク表)













1.赤(闇表)

赤、それはキミの瞳の色。

落ち着いた生活が戻ってくると同時に夏休みになった。

それで、
何かと遊戯はアテムの家に遊びに行った。
本当は外でもいいのだが、
外だと何がおきるか分からないので、専ら室内にいた。

アテムはエジプト育ちだというのに、暑さに弱く、
正確に言えば湿度の高さに弱く、
部屋で変温動物の様に過ごしている。

日差しはシャットダウンされており暗く、
フローリングはひんやりとしている。
そこへ2人転がって、
目がかち合うたびにクスリと笑うのだ。


アテムの目は赤い。

本来であれば「ウサギみたい」などと言うのだろうが、
アテムはウサギのイメージとはかけ離れすぎている。

目が赤いものといえば、
ゲームではよく、悪魔とか人以外のものであることが多い気がする。
無論アテムは立派な人間なのだが、
ちょっと解るかもしれない。

彼を知れば、優しい人だと気づくだろうが、
割と冷酷な印象が強いらしい。
その上何に関しても手加減はしないし、
空気は読まない。
(読めないのかどうかのかはこの際無視しよう)

・・・解る気もするが。

彼は妥協での馴れ合いは嫌いみたいだから、
仕方が無いのだろう。

「どうした相棒?」
「え?う、ううん、別に?
キミの目って、不思議な色してるよね。何色なんだろう。」

赤と一言にいっても、色々な赤がある。
ただ、遊戯はそんなに赤の名称を知らないので、
どれに近いということも出来ないのだが。

「ワインレッドとか?」

全然違うなー。そう、悩ませているが。

「ワインレッドか、悪くは無いな。」

そうたのしげに呟くアテムを見て、
遊戯は気づいた。
アテムが悪くないと言ったのは、他の理由があるのではないかと。
「何で?ワインレッドだと嬉しい?」
「そうだな、相棒に言われると嬉しいかもしれないな。」
そう言って、覆うように覗き込んでくる。

好きなのだ、その目が。

彼の視線は彼の性格そのもので真っ直ぐで、
揺らがない視線は、自分の心を見透かされているようで恥ずかしいが、
それとは別にドキドキしてしまう。

そう心に問うて、答えが出た。

自分は、この目に酔わされているのだと。

「気づいたか?」
「もー、ボクはそんなつもりで言ったわけじゃないんだから。」

だが、事実で。

暫く、酔わされていようとそう思った。



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おちとかないよ。

個人的に王様は赤、
相棒は紫、が好きです。

あ、目の色の話ですが。

  










2.橙(海表)

あのビルは、この平凡な町の中で最も高い。

多分、この町で一番見晴らしがいい場所で、
行って見たいって思う人も一杯居る。

そんな場所へ、遊戯はやって来た。
すっかり顔パス状態の遊戯は何時ものようにエレベーターで
そこを目指す。

エレベーターは東側にある。
だが社長室は西側だ。

何時ものようにノックをすると、
「入れ」とだけ短い返事がある。

何時もは「誰だ?」とか「何だ?」とか言うのだが、
どうにも遊戯のノックは聞き分けられるらしい。
と、いうのも、
音のなる場所が低いかららしい。

彼らしい認識といえばそうなのだが、
何となく悔しいので、
以前は背伸びをしてしてみたのだが、それでもばれた。
理由は解らない。

「お邪魔しまーす。」

疑問など無かったかのように部屋へ入ると、
非常に眩しかった。
もう、5時前だ。

広い窓からは、橙色の斜陽が部屋を包んでいて。

遊戯は思わず笑った。

「何だ、人の顔を見ていきなり笑うとは。」

声は非常に不服そうなのだが、
それでも遊戯はクスクス笑い続けてしまう。

この町で恐らく一番見晴らしのよい場所の主である海馬瀬人は、
やってくるなりクスクスと笑ったまま
その理由を言わないでいる恋人の遊戯に、
僅かにイラだつ。

これが別の誰かであれば、
海馬の頭で算出された理由を当てはめることは出来るのだろうが、
遊戯にはそれが適応できないことは、
付き合い始める前から解っていた。

だから、聞くほか無いのだ。

「遊戯。」
「ごめんごめん。」
「そんなに俺の顔が面白いのか?」

散々見たことがあるだろう?

「寧ろ、海馬君の顔が見えないっていうか、
海馬君の顔は逆光で見えないんだ。
それでなんか、西日が後光に見えておかしくってさ。
すごく、神々しくってさー。」

要は日食のようになっているのだ。

呆れた。
遊戯のことだからと大した理由ではないのは判っていたつもりだが、
そんなことが理由だとはな。
ただ、そんな些細な理由で笑ってしまう遊戯がすきなのだが。

海馬は思わずブラインドを下ろしてしまう。
「気に食わん。俺の顔が見えないというのが気に食わん。」

そう本気で言ったのに、
遊戯はまたクスクスと笑うのだ。
「ボクが近寄ればいいだけの話じゃないか。」
遊戯もまた呆れているのだ。
大人なくせに、理由だけが子どもっぽくて。
ただ、そんなところが遊戯は好きだった。

そしてしばらく遊戯は、海馬のご機嫌を取るのに必死になる羽目になった。


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高校生は、箸が転がるだけで笑えるお年頃なんだと、
終わってから気づきました。

  












3.黄(バク表)

春は、やっぱり桜のイメージが強いが、
黄色というのも多く見かける。

近所の私鉄沿線には、菜の花が咲いていて、
無意識に歩いていてもふと目に留まるほどの存在感があった。

「でも、何で黄色なんだろう。」
「虫とか、そういう関係じゃねぇの?」

遊戯は時折子どものような疑問を問いかけてきて、
バクラは生憎それに答えられるほどの知識はない。
相手が遊戯でさえなければ「知るか」だの「さぁな」で済ませてしまうが、
何かは答えたいと思ってしまう。

「でもいいよね、黄色って。ボクは結構好きな色だよ。温かいし。」

色の何が温かいのかバクラにはわからない。
恐らく春の陽気とリンクしているのだと思うが、
こんなことを言うか?普通は。
バクラがそんなことを言い出せば、周りの人間が病院を探す羽目になると思うのだが。

ただ、遊戯がそういうことを言うのは、何故か自然で不思議で、
いや、そもそも遊戯自身が不思議な存在だ。
時折非常に冷静な判断をする割に、
第六感的なことを言い出すフシがある。

オカルトは好きだが、そういう人間ではないバクラが、
今、黄色と聞けば、
昨日テレビでやっていた、有名な映画を思い出すだけだ。

人気があるらしく、ノーカットで放送されていた。

誤って人を殺してしまった男は、
自身が刑務所へ行く際に、妻に離婚を持ちかける。
だが、妻は・・・
それは多くの人が知る結末である。

「なぁ、遊戯。」

自分たちは、彼らとだいぶ違う。
だが。

「俺がさ、刑務所入ったら、
お前は、
俺のことなんか忘れて、他の誰かと一緒になれよ。」

遊戯を縛っておきたい気持ちはあるが、
遊戯は自分にとって出来すぎた存在なのだ。

遊戯を守れる人間なんて一杯いるだろうし、
ごく普通の家庭で育った遊戯には、
ごく普通の家庭がよく似合う。

自分では余りに釣り合いが取れない、そういう不安があったのだ。

遊戯は一瞬何を言っているの?という顔をして、
ふと理解した後、
今度は妙に真面目な顔をして、いうのだ。

「ボクは、キミに、キミが刑務所へ行くようなことはさせないよ。」

笑ってしまう。
本当は、待っているよという言葉を待っていたのだが。

でも、悪くなかった。

「そりゃあ、そうだけどよ。」
「それにバクラ君はそんなことしないよ。」
「確証は?」
「無いよ。でも、ボクは信じてる。」

遊戯はやはり、第六感的なことを言い出すのだ。

バクラは思わず声に出して笑ってしまった、
すると遊戯は「ボクは本気だよ。」と怒るのだが、
別に遊戯がおかしいわけじゃないのだ。

「悪ぃ悪ぃ、そういうわけじゃなくってよ。」

俺が、そんなに大切にされることが滑稽でしかたがないんだ。

バクラにはそれを伝える術は無かった。
ただ、怒る遊戯を宥めすかしだだけだった。

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幸せの●いハンカチ。

  












4.緑

「結局、ナポレオンって何で死んだの?」

世界史の教科書を見ていた遊戯はふと顔をあげて、
新聞に目を通していたアテムに問いかける。

「色々説があって、まだ結論は出ていないんじゃなかったか?」
「そんなにわからないの?」
「まぁ、あれだけの人間であれば、殺される理由も殺したいと思うやつも山の様にいるだろうし、
毒殺を試みたって死因にならない場合もあるわけだ。
証拠も殆ど無いわけだし、何より時間がたちすぎている。難しいだろうな。」

スゴイ人は死に方も色々スゴイのだろうな、と適当な感想を思い浮かべてから、

「じゃあ、アテムはどうやって死んだと思うの?」

と、
子どものような疑問を投げかけてくる。

生憎アテムは歴史学者に成る気も、ナポレオンに対する思いいれも無いので、
なんとも、いや、どうでもいいのだが、

「心労とか体力的にも限界だったんじゃないか?」
「毒殺とかじゃないんだ?」

なんだー、毒殺だったらかっこいいのに、と、
ナポレオンには大層失礼なんだかどうだかわからない希望を述べる。

「エンペラーグリーン、って知ってるか?」

「エンペラー?緑?」
「ああ。」

アテムは机の上のものを見渡すが、丁度いいものが見つからない。

「エンペラーっていうのは、ナポレオンのことだ。」
「皇帝になるんだっけ。」
「ああ。1804年に皇帝に即位して、ナポレオン1世になる。」

そのナポレオン1世が愛した緑、
それをエンペラーグリーンと呼ぶ。

「緑が好きだったんだね。」
「ただ、相棒、昔は今の絵の具なんて無いからな。」

エンペラーグリーンには、亜砒酸第二銅、要はヒ素が含まれていた。

「ヒ素?危険なんだっけ。」
「ああ。ナポレオン1世の遺体から発見されたヒ素はこの緑が原因じゃないかといわれている。
他にもヒ素は利用されていたし、
原因だとは言い切れないんだけどな。」

まぁ、部屋中ヒ素入り緑で塗り固めちゃ、体に毒には決まってるな、
と、アテムは遊戯に言ったつもりなのに、
ふと気づいた。

それを愛し、それに囲まれているのは幸せであっただろうが、
それによって死因の一因にされうるというのは、
人事には思えない。

まさか遊戯からヒ素が出ているわけも無いのだが、
愛しすぎて溺れることは変わりない。

すでに溺れているのだが。

今更間に合わないだろう?
嫌いになんかなれないし、その前に手放せない。
それによって死に至るとしても・・・

色と遊戯を比べるなんて、
愚行の極みだぜ!とアテムは自分を鼻で笑ったのだが、

「ふーん、何事もほどほどに!ってことかな?」
「相棒、それは牽制か?」
「?」
「牽制されたって、そんなことに退く俺じゃないぜ!」

かみ合っているようで噛み合っていない会話のあと、
微妙な沈黙があってから、
2人どちらが先とも解らぬままにクスクスと笑い出した。

「あーあ、なんか教科書読むの面倒になっちゃった。」
「テストがかかっててもか?」
「うん。まぁ、いいよ、後で読むよ。」

折角キミと居られるのに、
教科書に費やすなんて勿体無いじゃないか、

そう、他意無くつげる遊戯を、
アテムは結局手放せないと感じるのだ。

たとえそれが有毒であっても構わないと思った。


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高校の頃読んだ色の本に載ってて、よくもまあ覚えていたエンペラーグリーン。

そういえば、オペラ座初期に緑の衣装で舞台にたった女優さんが、
同じように緑の毒素で亡くなった為、
それ以降、緑の衣装が無いとかいう話を聞いた気がしなくも無いのですが、
ソースが確認できずに流しました。
ちなみに、うちが見たのは「不思議発見」だったと思います。

  














5.青

プラトニック主義なアナタは逃げましょう






どうにも寝られない。

意図的でない徹夜のせいで、若社長の体力は半減していた。
無駄に疲れるのだ。
寝ようとすればするほど眠れなくなってしまうのだが、
かといって横になっていても、余計なことばかり考えてしまって、
結局寝られずに朝を迎えてしまう。

心労がたまりにたまった彼の元へやってくるのは彼しか居ない。

「海馬君!」
「遊戯・・・。」
「えへへー、お久しぶり!」

恋人との挨拶がこれとは、如何なものかといわれるかもしれないが。
たしかに、
遊戯が顔を出したのは久しぶりだった気がする。

ここのところ海馬も学校へ行っていないし、
そこまで仕事は忙しくなかったのだが、
どうにも上手い具合に時間がとれず、
夜であれば大概空いているのだが、
この恋人は夜は警戒してやってこないのだ。

寂しい限りである。

「久しぶりも何も、お前のせいではないか。」
「ボクの?」
「どうにも、お」
と、嫌味の1つも言ってやろうと思ったのだが、
それより先に

「海馬君、寝てないね?」

この観察力には舌を巻く。

「もー、すぐに無理をするのはキミの悪い癖だよ。」

無理ばっかりしてると、すぐに体壊しちゃうよ、と
遊戯の目は海馬よりも遠い未来を捉えている。

「別に寝ていないわけではない。寝られないだけだ。」
「それは寝てないじゃない・・・。でも、何で寝られないの?」
「さぁな。」

海馬にしては珍しいのかいや、珍しくないのか、
自分のことが良くわからない。

「寝ようとしても他の事を考えてしまって目が冴えてしまう。」
「他の事って?」
「色々だ。」

海馬の頭は、自分と異なり本当に多くのものが巡っているとは、
流石に遊戯でも解る。
だから、海馬の悩みがわかるようで解らない。ただ、

「シーツとか青くしてみたらどう?」

青は精神的に休まり、安眠を促すと聞いた記憶がある。

「海馬君ちってさ、絨毯とか赤いし、
なんだかこう、落ち着かないところがあるって言うかさ。」

それは、どうだろうか。
現に今までは普通に寝られたのだ。
無論、寝られない日もあったが、そんなに深刻ではなかったし、
とはいえ、こうなってしまった以上、今後もこういったことがあるかもしれないし、
何か手を打ってみても損はなさそうだ。

「青、か。」

それだけを考えて目に付いたものが、
「え、なに?これ?」
遊戯の制服。
青い。

「成程な。」

海馬は悪意ある過大解釈をする。

「つまり、お前が一緒に寝れば良いと言うことだ。」
「えええええええ!!??意味わかんないんだけど!!」
「素直じゃないヤツだ。そう言いたかったのだろう?」
「凄く違う!海馬君、頭寝てるよ!!」
「俺は寝られないで困っている。」
「え、だって、あ、ほら、キミだって制服持ってるじゃないか!!」
「自分で着ていては目に入らんだろう?」

家に連絡は入れておけ、とだけ告げて海馬は仕事に戻る。


その夜、海馬が寝られたのか否かは、彼と巻き込まれた当人のみぞ知る。


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過大解釈に定評のある社長・・・

という、妄想。

  














6.藍



遊戯、電波・・・?


「アイっていいよね、好きだよ。」
「愛!?」

そう、言われて驚くのは無理もない。

一瞬何かと思った。

あい、それは人物名か?
だとしたら大問題だが、学校に「あい」という名の生徒は居ない。

じゃあ、何だ。

そう、問われて頭に「愛」の字が浮かぶのは、
彼が一応そういう年齢であり、そういう感情を持っており、
その対象がそんなことを口にしたからだ。

「遊戯、今何ていった??」
「え?藍だよ、藍。青。あの色ボク結構好きなんだー。」

「ああ。あれか。」

一安心なんだか、良くわからないが。

「なんだよ、急に。」
「えー、ほらさぁ、」

空って、夕日はオレンジなのに、
こう、段々紺色から黒っていうか、青っぽい黒に変わるじゃない?
あの、

「オレンジと紺色の間くらいのさ、藍色っていうの?
あれがすきなんだ。」

遊戯は学校帰りの夕日を指しながらそういう。

「ほんとに、おめぇ、色んなもん見てんな。」

空の色を観察しながらあるくことが無いわけではないが、
そんなに細かに見ることはない。
絵で書けば夜空は黒く塗りつぶしてしまうタイプであった。

「遊戯は何だか余裕があるよな。」
「そんなことないよ。」
「普通、考えるか?そんなこと。」
「んー、子供の頃、暇だとすること無いからさ、
ゲーム禁止令とかでちゃうと、空とか見るしかないんだ。
丁度ボクの部屋は天窓あったからなおのことかな。」

恐らくそれだけが原因ではないのだろう。

「空なんか見てあるいてねぇなぁ・・・。」
「ボクはねー、オレンジから藍色、紺のグラデーションがすきなんだ。綺麗だよ?
バクラ君も見てみなよ!」

と、言われても、

「そんな時間には外出てねぇし。」
「じゃあ、一緒に見に行こうよ!」
「へ?」

散歩散歩!と遊戯は誘う。

だが、
バクラには空を見る余裕なんか無いのだ。
恐らく空を見ている遊戯を見るのに精一杯になる。

「やっぱり、余裕あんなぁ・・・。」

苦笑してしまう。
だが、遊戯はむーっと難しい顔をしてから、
「一杯一杯だよ。本当は、」

それだけ言いかけて辞める。

「何だよ?」
「何でもないよ。」

こうなってしまうと口を硬く閉ざしてしまうが、
「しょうがねぇなぁ。付き合ってやるよ、散歩。」

そう、とりあえず遊戯の誘いに甘んじてみると、
へへっと笑ってコチラを見上げてくる。

やっぱり余裕は持てそうになかった。


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実は、遊戯もバクラと話がしたいので、
何気なく誘っているのでありました。