*最近あんまり注つけてなかったけど、
*別体です(今更過ぎる)

*世間では何時が門限かなんか知らないぜ!

*オチ?そんなのないぜ!




分かち、求め








春になると、日は長くなる。
その分一緒に居られる気がして、とても嬉しい。

時間を共有できること。
でもそれは、
一つで居ることとは違う。


長くなり始めた日も落ちて、
時計は7時をまわり、
テレビは夜のニュースを流し始めた。

それでもなお、

遊戯は帰ろうとしなかった。


アテムはそれに何の反対もないのだが、
遊戯にしては珍しすぎた。

何時もならアテムが「もう帰るのか」と引き止めて、
断りきれない遊戯が最終的に9時過ぎまで居たこともある。

ただ、冬は暗くなるのが早いし、
可愛い遊戯は変態に襲われでもしたら、どうして良いのか解らない。
そういう時は大体、近くのコンビニまで行くとかなんとか嘯いて、
遊戯を見送ったりするのだが。

しかし今日は何故だ?
遊戯はアテムにぴったりと寄り添って、
デッキを組んで遊んでいる。

若しかしたら、気づいて無いだけか?

気づいていないだけなら何というだろう。
『あ、ほんとだ。もう帰らなきゃ』とか?
それも寂しい。

では、
『まだ居ちゃ駄目?』
とかなんとか?
それで上目遣いで見られたら、
それはいいが、何かあったんじゃないかと不安になる。

アテムはとりあえず、自分の希望と想像にうろたえる。

だが、何かあったとしても、それを見ぬフリするのは
彼の正義が許さない。

寂しいが『もう帰らなきゃ』の返答を願って聞くべきじゃないか?


「相棒?」
「ん?」
「(そんな目で俺を見るな・・・)相棒は帰らなくて大丈夫なのか?」
「え?」

やっぱり時計を見ていなかったらしく、テレビで確認すると、
「もう7時!?」
と案の定驚いていた。

「相棒は何時もこの時間には帰ろうとするだろう?」
「うん。」
「だから、どうかしたのかと思って。」

別に相棒を帰したいと思ってるわけじゃないぜ?

と、慌てて付け足せば笑ってくれた。

「もう7時なのか・・・早いなぁ。」
持っていたカードを床に置いて、コロリと転がる。

何か様子がおかしい。

「相棒、どうかしたのか?」
「んー・・・。」

何やら恥ずかしそうな顔をして、
今度はアテムの腕にきゅうっと抱きついてくる。

可愛らしくてたまらないのだが、
普段と違うだけで非常に不安になってしまう。

何を考えているのかさっぱり解らない。

頭を撫でて、抱きしめれば一層引っ付いてきて、体温が伝わる。

頭の位置が違うのだから仕方が無いのだが、
上目遣いで見上げてくる、これは反則だと何度いったらわかるんだ・・・?

その上、ちょっと恥ずかしそうにしながら、

「ボクは・・・まだ一緒に居たいんだけど・・・。」

とか。

男殺しとしか思えない。
なんて言っている場合ではない。
遊戯がこんなことを言い出す理由がわからない。

「相棒、何かあったのか?」
「何か無いと駄目?」
「そういうわけじゃないが・・・珍しいと思って。」

「今日はキミと一緒にいたい気分なんだ。」

そう言って、もう一度強く抱きしめてくる。
一瞬かち合った瞳には、影があって。

悪い気はしない。
寧ろ嬉しいのに、
不安は拭えない。

暫くそうしていたが、
遊戯はふと離れて、「ワガママ言っちゃったね!」と笑い、
もう帰ると言い出したのだ。

さっきまでの甘えた様子はさっぱりなく、
帰りの支度をする。

「相棒?」
「キミだって夕食の支度しなきゃいけないしさ、
ボクもママに連絡しなきゃいけないから。」

笑ったって誤魔化せない。
そんな偽りの笑顔じゃ、騙されない。

まだ遊戯の目には影が残っている。

何の影だ?
何が不安なんだ?

それが知りたい。教えて欲しい。

上着を取る遊戯の手を掴んで許さなかった。

「相棒、何か変だ。」
「変?気のせいだよ。」
「俺の目は誤魔化せないぜ!」

誰よりも遊戯を見ている自信がある。

「ちょっとワガママ言いたかっただけ。」
「本当か?」

嘘だ。

「信じてくれない?」
「相棒はすぐに気を遣うからな。」

自分を守るための嘘ではない。
誰かを傷つけないために、自分を傷つけようとするんだ。

「俺は、相棒がずっとうちにいたって困らないぜ?」

そういうと遊戯はふと困ったような悲しそうな顔をする。
それが本当に気持ちなのだろう。

「別に、深い理由なんてないんだ。ただ、一緒に居たくて仕方が無かったんだ。」

そこで理由を問うのは愚問だろうか。

愚問だ。

きっと、遊戯にも解らない。

上着をぽとりと落とし、小さな体はアテムに委ねられる。
さっきよりも強く抱きしめれば、
細い腕も応じて、服にすがり付いてきた。
指に入る力は、単なる戯れではないと感じて。

アテムの腕の中ですっかり固まってしまった遊戯に変わり、
自宅へ連絡を入れた。
遊戯の母親は宿泊を許可してくれた。
アテムは信頼されているからこそ、こう簡単に宿泊を許してもらっているのだと解る。
だからこそ、眠ってしまったと嘘をつくのは心苦しかった、
しかし事実を伝えることもできなかった。

「相棒、泊まっても構わないって許可は貰ったぜ?」
「うん、有難う。ごめんね?」

遊戯は相変わらず腕の中で、
ソファに腰掛けるアテムの胸に頭を預けていた。

「何か、あったわけじゃないんだ。別に。何となく不安なんだ。」

心配しているアテムに、そう繰り返す。

たぶん、そうなのだと思う。
どんなに長い時間一緒にいたって、
互いの気持ちがわかるわけじゃない。

でも、そう感じる。

きっと遊戯のいう何となくの不安は
アテムに内にも潜んでいる。

「別に、理由なんて、必要じゃない。」
「ありがとう、アテム。」
「礼をいうのはこっちのほうだぜ?」

そう告げると、遊戯は不思議そうに見上げてくる。

「俺を頼ってくれて嬉しい。」

素直に告げただけなのに、
ぼっと顔を赤くして、
再び俯き、また胸にもたげる。

「だって、ここが一番安心するんだ。」

遊戯の他意無きセリフはアテムに直接響いてくる。

こんな形でしか、
こんな形でも、
本当の気持ちは伝わらないかもしれない。

だが、繰り返していれば、
いつか、本当に分かり合えるのだろうか。

さっきまでは遊戯の気持ちが知りたくてたまらなかったのに、
今はそうでなくても構わないと感じる。

「相棒、何時までも此処にいていいんだぜ?」


時間を共有できること。
それは、
一つで居ることとは違う。
互いの気持ちを共有することが出来るわけじゃない。
それでも、
互いの時間をかち合いたいと思った。

時計はもう見ない。




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背景なんかつけたいなぁ・・・




闇表。
シリアス?にしては幸せそうです。


管理人は「過保護愛萠」を基本装備しています。






(08.03.18)AL41