ダークネス!!

*パラレル
*仲悪そう。
*24歳くらい?
*王様悪いやつ
*黒い相棒?闇相棒?
*下ネタ?微エロ?発言含む
*この駄文には反社会的表現が含まれております。




不出来な詐欺師






「騙されてたなんて、解ってるよ。」

カモにしかしてなかった男は、
弱いくせに、強い瞳でそう言った。

「強がりにしか、聞こえないぜ。」

「そうだよね。」


一寸サツの目から逃れるために、
一寸弱そうなヤツを狙って潜り込んだ。
それが男だったのは予想外だったが、
俺に対する執着振りも予想外だった。

まさかここまでしてくれるとは。

その男、遊戯は俺が逃げる手引きまでしてくれた。
で、俺がしたことといえば、
ヤツを守る事もままならぬ、ただの話し相手だ。
寧ろ、この一ヶ月、ヤツのヒモの如く生活していただけで、
何もしていない。
食事の用意もまともにしない。

この男は俺にあっさりと騙されたのだ。
俺はヤバイヤツから逃げていると言ったが、
正確に言えば、俺がヤバイヤツで、追ってるのはお国の人間。

それをあっさり信じてな。

笑ってしまう。

「馬鹿なヤツだな。」
「昔から、こうなんだよ。」

馬鹿につける薬はないなんていうけどさ、
ボクは薬があっても治らないほど重傷だからね。
もう、どうしようもないし。

「死ぬまで治らないよ。」
「死に至る病ってか?かわいそうな人生だな。」

そうだね。

遊戯は笑う。
一ヶ月しか一緒に居なかったが、
よく笑う男だと思っていた。
つまらないことでも笑うのだ。

それを俺は嗤う。
騙されていることも知らずに、
ヘラヘラと。

便利な人間が居るもんだ。
ただ、俺だって黙って座ってただけじゃない。

30日間俺はばれぬように必死に演じた。
<遊戯>と言う存在を。
別に遊戯なんていう名前ではないのだ。偽名だ。

不良共にリンチを受けていた遊戯を助けた際に、
同じ名前の方が相手に親近感を持たせることが出来る。
それで、先に遊戯に名乗らせて、
その後に「偶然だな。」と<遊戯>と名乗るだけの話。

その名を使う30日間、俺は必死に<遊戯>を演じた。
変なヤツに付けねらわれた元要人という<遊戯>を。
偶然にも俺とそいつの外見は似ていたし、
うまくいった。
思うよりもかなりうまくいった。

<遊戯>と言う人間になりきりすぎて、
男と行くところまで行ってしまったが、
まぁ、欲のはけ口にはなったわけだし、記念レベルの問題だ。

「中々悪い生活じゃなかったぜ?30日間。」

「ボクもだよ。
いや、ボクはとても嬉しかった、かな。」

「騙されたとわかってもか?」

「まぁね。

ボクは、帰って家に人が居たことが殆どなんだ。
だからね。帰って人が待っててくれると嬉しくてさ。」

ふと、遊戯は寂しそうな目をする。

「もう20年も前になるかな。
キミは知ってる?浦賀沖で客船が沈没したの。」

また思い出話か。
お前は話すのが大好きだな。

もう、<遊戯>を演じる必要はないんだが、
一ヶ月の宿代食費代わりに聞いていってやるよ。

「知ってるぜ?」

「あの船にね、乗ってたんだ。
ボクの家族一家全員。皆、死んだよ。ボクだけだ。」



いや、ボクも死んだのかもしれないね。


遊戯はふふっと嗤った。

「その時かな。頭でも打ったんだろうね。
馬鹿な人間になったよ。ボクは馬鹿だ。」

ボクも、

そして、

「キミもね、<遊戯>」


男は袖に隠し持っていた拳銃の銃口を此方へ向けた。


暗闇の中でもそれが黒く光るのが解った。

「アテム、でしょ?」

弱そうな男は表情をガラリと変えて、
毒蛇の如く、アテムを見た。

<遊戯>の仮面は引き剥がされて、
詐欺師の顔は割れていた。

言葉と視線は鎖の如く、彼を縛りつけ、
動くことは許さなかった。

「色々意外だったけどね。
ボクの身体はそんなに扇情的だった?」

たっぷり抱いてくれたね。

嫌味を越えて、それは猛毒そのものだった。

「生き残ったボクは、拾われたんだ。
そこでね、色々教えて貰ったよ。男の咥え方もね。
そもそもさ、可笑しいと思わなかった?
それともボクがいじめられてたから、
男にされたことくらいあると思ってた?」

ないわけじゃないけど?

「でもさ男に攻められて、あんなに感じるのは可笑しいと思わない?
そんなこと考える暇もないくらい、
ボクを感じてた?」

感じてくれたんなら、嬉しいよ。

遊戯は毒を含んだまま恍惚とした表情を浮かべ、
急き立てられるように食いついてきたアテムが貪った胸を、
ワイシャツの上から撫ぜる。


ボクは馬鹿だけど、
身体はね、そこそこ優秀だったみたい。


「色んな人に愛されたよ。いろんな意味でね。
最初は何でこんなことしてるのかわかんなかったけど、
ムショに入れられた時に身に染みたよ。」

おかげで早く出られたしね。

遊戯はクスクス嗤っている、無邪気に。
良く嗤う男だ。
無論、アテムのことであったり、自分自身のことであったりするわけだが。

「でもね、別にそれだけじゃない。
色々教わったって言ったでしょ?」

キミは、一ヶ月ボクの話を良く聞いてくれたよね。

もう一寸付き合ってよ。

「ボクは、実験動物だったんだってさ。」

ボクを助けてくれたその人も、研究所の人で、
秘密裏に人体実験をしてたんだって。

ボクの母親もそうなんだ。
だってママはボクと全然似てなかった。
気づいてたよ。
拾われたのかもしれないって。
でもね、そう不安になるたびに、ママは言ってくれたんだ。
『お腹を痛めて産んだんだから、そんなこと言われると悲しい』ってね。

ママの子ではなかったけど、拾われた子でもなかった。
確かにママから生まれた。

「卵細胞が受精卵になった時点で、分割する。
そんなことが出来るのか、ボクは学が無いから良くわからないけど、
人工的に生まれた双子。そのうちの1人が、ボク。」

もう1人が誰か?
そんなの聞かないでよ。

「よく似てる、にしてはレベルが高いと思ったぜ。」

やっとでた言葉は、
なんでもない、単なる感想でしかなかった。

それにまた遊戯はわらう。

「だよね。当然だったんだ。」

それで、研究所としては、キミもサンプルとして必要なんだって。

「それで、罠を張って待ってたってことか。」
「まぁね。」
「甘い、罠だったな。」
「褒めてくれてる?」
「悔しい、がな。」

ふふっとまたわらう。

「ボクは、船が沈んだ時に死んだんだ。
だから、ボクの時は止まったまま。
心に反応して、身体もあんまり成長し無かったよ。」

だから、
充分に大人になったキミが羨ましい。
「憎いほどに。」

大人になれなかった遊戯。
大人になれたアテム。

真実を聞かされた遊戯。
真実を聞かせてもらえなかったアテム。

「俺は、お前が羨ましいくらいだが。」
「何故?」

「さぁな。」

何を言っても通じる気がしない。

「・・・そう。じゃあ、そろそろ終わりにしよう。」

遊戯は拳銃を構えながら此方へ歩み寄ってくる。
アテムの銃に銃弾は無いだろう。

有ってもトリガーを引くことは出来ないのだと本能は呟く。

愛した身体だから、風穴を開けたくないとか?
双子の兄弟を傷つけたくない、とか?

どちらかといえば前者なのだろうが、
それだけではない。
理由は解らないが。

遊戯はすぐ目の前にまでやって来た。
それからフッと抱きしめてきた。
耳元で囁く、甘い息がかかる。

「ボクから見て右の船は研究所行き。悪いところじゃないけどね。
左の船は、何処行きだろう。キミが決めれば良いよ。」

そして、

「ボクを振り払うも何も自由だよ。」

答えは?

論拠の無い答えは、バツにされる。だが、

理由など後でつければいい。


アテムは遊戯を抱えあげたまま、
左の船へと飛び込んだ。

右の船からは人が出てきて、捕らえようとするが、
船はあっさり動き出した。

闇の中、白い波を立てて、去っていった。

その後は誰も、知らない。




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かくのが楽しいだけのパラレル。

騙している気で騙せなかったアテムと
騙しきることの出来なかった遊戯と、
結局自分の気持ちまでは偽れなかった二人、みたいな

「受精卵の時点で〜」とか、
ガクソから、ネタ頂戴してしまいました。
ごめんね、ママ
(意味不明の方はスルーで。ググって最初に出てくるみたいだが・・・)

悪い子書くの楽しいなぁ・・・

・・・

・・・

反省、しています。とても、かなり、非常に・・・。


(08.03.01)AL41