*全国の敦子さん、スミマセン。
他意はないんです。
唯一思い出した女性の名前がそれだったんです。
敦子さんは悪くありません!!!
*微エロ?発言アリ
*プラトニック主義の方は注意!
絶望。
死に至るほどではないにしても、
食欲が無くなるとか、気落ちするとか、
そういう小さなものは、案外周辺に転がっている。
それらを
誰しも落胆するものだ、などという概念で縛り付けてはならない。
この場合、
壁が高ければ高いほど、
心は燃え上がる。
至高の局面
午前中の授業が終わると、
多くの者が昼食をとる。
その間、屋上や校舎裏では時折見られる光景だ。
一昔前の少女向けの小説や漫画では、
校舎裏であれば人に見られていないことが多いようだが、
実際は見られやすかったり、先客が居たりする。
流石にそこまでは、のぼせそうな頭であっても考えがいたるらしく、
一応、立ち入り禁止の場所とかを選んだりする。
だが、生憎、
屋上の立ち入り禁止の場所であっても、
先客がいたりするのだ。
先客というよりも住人と言うほうが正しいのかもしれないが。
何故授業直後に関わらず居るのか?
それはただ、授業をサボって屋上でのびのびしていたからだ。
バクラは今日も始まった他人の青春の1ページを目撃する羽目になる。
バクラがいけないのだが、
彼にとってはそこが彼の縄張りなことと、
余りに多種多様な人人の反応は見ていてそこそこ面白いために、
この根城を捨てる気はさらさら無いらしい。
胃が空腹を訴えてくる時、
1人の男子生徒がやってきた。
緊張しているのか、一段高いところで隠れているバクラに気づくことは無い。
暫くすると、神妙な面持ちの女子生徒がやってくる。
最も良く見るパターンだが。
どうやらこの青春の1ページには、爽やかさなど無かったらしい。
「ねぇ、どういうこと?」
「・・・。」
「ねぇ・・・何で?説明してよ。」
「だから、勘違いだって言ってるだろう!?」
「馬鹿にすんのも好い加減にしなさいよ!!!」
昼間から、よくまぁこんな喧嘩をするもんだな、と
無駄に感心してしまう。
「あんたさぁ、別に好きな人居ないって言ってたじゃん。」
「あの時は居なかったんだよ。」
「じゃあ、何?私と知り合ってから、敦子のこと好きになったっていうわけ?
ふざけないでよっ!!
それとも何、敦子にたぶらかされたの?」
修羅場だった。
女の嫉妬は怖えぇなぁ、と完全に他人事。
それもそうだ。
バクラが惚れたのは、何故か男だし、
その周囲も男で囲まれている。要は敵も男ということだ。
「(あんな女より100倍可愛いぜ。)」
と、結局自分の可愛い想い人に満足し、
盛んに喚いていた女が走り去り、呆然とした男がまた去ってから、
バクラは無事教室へと向かうことが出来る。
彼がサボっているのはいつものことで、
昼休みになってからのこのこ戻っても、適当にからかわれるだけだ。
教室に入る前に城之内と遭遇した。
「バクラ、またサボりかよ。」
「俺が居たって居なくたって問題ねぇだろ?」
「当たる確立が増えるんだよ。」
「大して違わねぇよ。」
で、何してんだ?
「ああ、バクラ、遊戯見なかったか?」
「遊戯?」
ああ、あの可愛い想いの人か。
「見てねぇけど。どうかしたのか?」
「いや、飲み物買いに行くって行ったっきり帰ってこなくてよ。」
丁度良い。
「どうせ俺も買いに行くから見てくるわ。」
城之内は純粋に遊戯の親友である。
バクラの気を知ってか知らずか、よろしくなー、と見送った。
アテムは昼に教師に呼び出されてたと記憶しているので、
遊戯は1人だろう。
2人きりの時間は貴重だ。
あの愛くるしい遊戯を独り占めできるのだから。
バクラは非常に足取り軽く、速い歩調で購買へ向かう。
一分一秒、一緒に居たい。
そう思ってのことだった。
遊戯は購買手前で見つかった。
校舎の裏口で誰かと話しているらしい、
まだ声変わりの来ない声に、彼の耳は敏感に反応した。
遊戯は如何にも絡まれ易い性格だ。
イジメられっ子ということもある。
ただ、バクラはそれ以上に、遊戯の相貌が原因だと思っているのだが。
さっきの女の時にも考えたことだが、
女より可愛いのだ。
そりゃあ、色んな目で見られているに違いない。
だが、それが熱視線だろうが、イジメの対象としてだろうが、
いずれにせよバクラの敵には違いない。
バクラは、声の聞こえるほうへそっと歩み寄って行った。
「もう、一々来なくたっていいのに。」
相手は、誰だ・・・?
遊戯に知れぬよう、隠れて姿を確認しようとするが、
する必要は無かった。
「貴様が携帯を忘れるのがいけない。」
眩暈がした。
名前を確認する必要は無い。
「俺は散々メールを送ったというのに、全然返信が無いのだ。
心配にもなるだろう?」
「ごめんね、でも、昨日充電したまますっかり忘れちゃったんだもん。
仕方が無いでしょ?」
「何が仕方が無いのか良くわからないが。
まぁ、何があったわけでもないのなら安心だ。」
「海馬君はそれだけの為に来たの?」
「来た目的の9割がそれだが、1割は教師に言わなければいけないことがあってな。」
「素直についでって行ってよ。」
「別に今日言う必要は無かった。それに連絡ならば電話でも構わないだろう?」
遊戯がどうこう言って、口では叶う相手ではない。
「今日は、暇か?」
「今のところはね。」
「ならば社へ来い。邸でも構わんが。」
「何で?」
「最近全然顔を出していないだろう?モクバも会いたがっている。」
「モクバ君か、最近会って無いね・・・。」
「何だ?」
「・・・別に?」
普段聞くことの無い口調だったように感じる。
少し、甘えたような。
「・・・解っていて聞いているんだろう?」
「何が?」
「しらばっくれても駄目だ。」
「素直じゃないのはキミのほうだよ。」
「・・・暫く会えなかったからといって、拗ねているのか?」
「拗ねてないよ。」
「それを拗ねているというのだ。」
拗ねている遊戯は容易に想像できる。
「俺はだいぶ寂しい思いをさせたようだな。」
「・・・ボクは寂しかったけど、海馬君は寂しくなかったんでしょ?」
「遊戯、誰が何時そんなことを言った?
寂しくなければ会いに来ない。連絡も取ろうとは思わない。
お前は、お前に会いたくて此処へ寄ったと言っただろう?」
「なんか、何時も言い丸められてる気がする。」
「そんなつもりは無いのだが。・・・だが、少々卑怯だったか?
寂しいと言ってくれたお前に、応じないわけには行かないだろう?」
海馬の声さえ何時もと違う。
決闘している時とも、喧嘩を吹っかけてくる城之内をあしらう時とも。
「ひゃっ、ちょ、ちょっと、もう、驚かせないでよ・・・。」
「同じ町に住んでいても、少し仕事が忙しくなるだけで、
お前をこう抱きしめることさえ、まともに出来ないとはな。」
「海馬君・・・。」
「お前に会えない寂しさを、電話やメールで補うのも、仕事で紛らわすのももう限界だ。」
「・・・・・・うん・・・。」
「遊戯、今日は邸へ来て欲しい。出来れば社に来てくれると嬉しい。必要ならば迎えをやる。
俺はお前に会いたくて仕方が無かった。こんな抱擁1つでは満足出来ないほどに
渇いている、餓えている。お前を独り占めしたい。」
「うん、解ったよ。ボクもキミが恋しくて仕方が無かったんだから。
少しでも時間があるんなら、キミに会いに行きたいよ。
だから、お願いだから、恥ずかしいことは言わないでよ。」
「遊戯・・・。」
「海馬君・・・まって、あ、ッ・・・。」
声が漏れている。
見なくても、何をしているのかわかってしまう。
遊戯に会うために学校へ来て、
不良共から遊戯を守って、
遊戯の笑顔だけを願って、
2人で僅かな時間を過ごしさえ出来るのならば、何の文句も無いと、
バクラにしてはあまりに無欲な望みだったはずなのに。
あの男は、
毎日顔を合わせているわけではないのに、
遊戯の心を支配している。
この現状に、
バクラの胸を占めたのは絶望だったか?
誰の者でもない遊戯を得る可能性は低くなかった。
一歩でも好敵手と差をつけて、一気に攻めあげれば手に入ると思っていた。
だが、
会えなかった男に、寂しいと告げて、
キスを甘んじて受けている遊戯には、
他の男が入り込む余地などあるのか?
可能性は零に近い。
昼間の女ではないが、
絶望しろと言うことなのだろうか。
ああ、あの女であれば絶望しただろう。
だが、
生憎バクラは違った。
あの男から、遊戯を奪い去る快感が待っている。
彼の心はそう叫んで、血が踊った。
奪い去った遊戯が己から「愛している」と囁くほどに、
その心を奪い去ってみたい。
人によっては絶望と呼べるこの局面に、
バクラは笑みを零した。
怪盗の如く奪い去るには、これ以上のない、
至高の局面だと。
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海表←バクってどうかな?なコメから生まれた駄文。
最近社長はいい役取りすぎてる気がしません?(誰に聞いている。)
バクラが嫉妬しているようで、燃えてます。
駄目じゃん。
(08.03.14)AL41