*黒め遊戯注意
*遊戯怖い・・・
*これでも海表なんだぜ?
辛口ハニー
仕事。
遊戯を呼び出した海馬は、快く仕事をしていた。
仕事をする際に風景というのは重要だ。
パソコンの画面からふと眼を上げて、磯野がいるか遊戯がいるかではだいぶ変わる。
遊戯も基本的には邪魔をしてこない、
それに今日は暖房完備の部屋で携帯ゲームにいそしんでいるため、
此方と眼が合うこともなく、
あの妙な色気に中てられることも無い。
が、
完全にスルーというのもつまらない。
基本、我侭な海馬は遊戯を振り回すことが好きだ。
自分のために困ったり怒ったりするだけで優越感と独占欲が満たされるのだから、
自分でも安い人間だと海馬は思っていた。
が、
遊戯は鶏ではなかった。
最近では、海馬を適当にあしらうスキルを習得し、フル活用している。
今までは不意打ちでキスの一つもすれば、照れたり恥ずかしがったりしていたものの、
最近では阻止するようになってきた。
5センチのところで、唇にぴたっと指を立てて押し付けて、
「ダメ」
と一言。
恥らっていた遊戯は何処へ行ったのか。
海馬が
「そんなに俺とキスするのが嫌か?」
と、反論すれば、
「嫌だったら付き合ったりしないよ。」
「最近お前は可愛げが無いな。」
少々寂しそうにそう言っても、
「男に可愛げを求める方が間違ってるよ。」
と、はっきりしっかり、此方に視線をやることも無く。
ついでに、
「ボクが可愛いなんて、海馬君は視力が落ちてきたんだよ。パソコンのやりすぎじゃないかな?」
俺がいけないのだろうか、
海馬が思わずそう思ってしまうほど、遊戯は変わったと思う。
やつの存在を出すのは気に食わないが、
やつ、もう一人の遊戯が今の遊戯をみたら、何と言うだろうか。
大層溺愛していたようだから、この変わりように絶望するかもわからない。
海馬と付き合う前の遊戯。
それは温室育ちのヘリオトロープみたいだった。
取り巻きに囲まれ、一人っ子で、温かい家庭で育った温厚なヤツ。
海馬と付き合った時には、正しく秋桜や撫子状態で、
基本がおかしいはずなのに、純愛という言葉が似合うような、
そこ等辺の女よりもよっぽど可愛かったのに。
今の遊戯はなんなのだ?
なにやら悔しくなってきて、遊戯に熱い視線を送る。
だが、遊戯はゲームにお熱で全然気づかない。
「遊戯。」
「何?」
反応はするらしい。
だが、呼んだ海馬にこれといって用件は無い。
此処で「何でもない」といえば、昔なら「何だ、お仕事終わったのかと思ったよ。」とか言って、
愛くるしい笑顔の一つも見せてくれるのだが、
今では恐らく「今、キリが悪いんだよ。」と言って、見向きもしないだろう。
「・・・。」
「・・・あっ、」
失敗したー、と肩の力が抜ける。
ゲームでしくじったのだろう。
今なら怒ることもあるまいと、思わず席を立って隣にすわると、一度此方をみるものの
行動には出ない。
「遊戯、お前は変わったな。」
「そう?」
海馬君だって変わったよ、と遊戯は視線を上げてきた。
思わず唇に目がいくと、
それに気づいたのか、遊戯は呆れた顔をしてキミはそればっかりだと愚痴る。
「そんなに嫌なのか?」
「時と場合による。」
「じゃあ、どんな時は良くてどんな時は悪いんだ?」
「言ったって、海馬君はそれを守る気は無いでしょ?」
さっきから柳とシャドーボクシングしている気分だ。
「守ると言ったら?」
「ボクはそれを信じないよ。」
棘のある言葉をペラペラと言ったかと思うと、
ふと優しい表情を見せる。
「最初、初めてあった時は、海馬君は普通にカッコよくて、
頭も良くて大体のことが出来て、決闘も強いし、憧れにも似てて・・・
アテムが居なくなってからは、キミは本当にボクを支えてくれた。
それに関して、ボクは本当にキミに感謝してるし、色々割り切れるところは羨ましいし、
社長と学生の二足の草鞋を履きこなしてるのは凄いし、
少ないキミの時間をボクと過ごしてくれることはとても嬉しい。」
だが、
編集者などが使うらしいが、
最初は褒めて褒めて褒めた後に、
その後一気に突き落とす。
視線を逸らした遊戯の口から
次々出てくるものは、撫子な遊戯とは思えない言葉の羅列だった。
「でもボクの中でもキミは変わったよ。
ボクが知ってる今のキミは傲慢で高慢で我侭で、人のことはお構い無しで、
いっつもやりたい放題で、仕事に関しては完ぺき主義な癖に、対人関係になると、
言うだけ言って何もしないとか、するだけして気にしないとか、
でも、偶に思いやってみたりさ、中途半端だよね。」
どうだろうか。
新妻が一瞬で鬼嫁になった気分だ。
「遊戯、お前が其処まで俺の悪態をつくとはな。」
此処まで言うのは何故なんだ?
そんなに俺が嫌いなのか?
流石の海馬にも少々耐えたらしい。
向こうが嫌だ嫌いだ別れたいと言っても、
意地でもつなぎとめようとは思っているのは変わりないが。
「海馬君はさ、変わるのが嫌なの?変わられちゃうのが嫌?」
思わず閉口した。
だが、考える海馬を他所に遊戯は畳み掛けてくる。
「変わらないものが好きなら、青眼でも愛してなよ。」
これには流石に激昂せざるを得なかった。
「貴様と青眼を並べる気は無い!」
「そうやってすぐにキミは怒るんだ。カルシウム不足だよ。」
「貴様はそうヘラヘラと!其処まで不満ならば、最初から文句の一つも言ったらどうだ?」
「別に嫌じゃないからさ。」
あっさり切り返してきた言葉に、海馬は我に返った。
「ボクはね、別に嫌だ何て言ってないよ。
ボクは、そういうところも好きだよ。」
そう、キッと、此方を再び見上げて視線を合わせてくる。
全部まとめて、キミのダメな所も含めて、
キミが好きだよ。今でも。これからも。
どんなにキミが変わっても、それを受入れたいと思うほどに。
「ボクだって変わるんだ。この間身長計ったらちょっと伸びてたし、
色んなことに慣れて来るし、昔見たく初々しくは居られないよ。」
思えば、2人の距離自体が随分変わっているのだと、海馬は思った。
手に触れること、視線を合わせること、それだけで満足出来たあの頃とはもう違う。
キスしなければ気がすまない。
抱かなければ満足出来ない。
今更プラトニックな関係には戻れない。
変わらないで居ることなど出来ない。
「キミは、変わっていくボクを好きでいられる?」
「好きでいられるか?ふん、下らない。」
正直なところ、
そういう声の調子、ちょっと強めの口調、
以前よりも誘うような視線。
海馬、いやそれ以上に男というものの口説き方を知ってしまったような、
攻撃的な態度。
嫌いではない、癖になる。
その毒、男を陥落させるに充分なほどの毒を含んだ
その視線をずっと自分にだけ向けさせたい。
他の誰にも、この毒が愛され、抱かれてたまるものか。
我侭?傲慢?当然だ。
世界で最も遊戯を欲しているのが海馬なのだから。
「俺は、愛していられる自信がある。」
眼を見て告げれば、遊戯はそれでもやっぱり頬を染めて、笑う。
如何に時が流れ変わっていっても、
変わらぬものもあるのだ。
海馬が遊戯を愛し続けることと同じように、
遊戯がまた、どこか純情で愛らしいこともまた、変わっていない。
ゲーム機は机に置いて、男の頭を引き寄せる。
「キスしていいのはこういう時だよ。」
禁じられていた感触を与えられた。
それはさっきの毒をも消し去るような、
甘い口付けだった。
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背景素材:
頽廃 にちょっと加工
ちなみに素材はハバネロ。
発色が良かったので、ちょっとボカシ?かけさせていただきました。
素材を見てネタが出てきたので、まぁ素材サイト巡回が無駄ではないことの証明みたいな。
・・・内容はからきしですけどね!!!
やっぱり純情・純白・初々しい遊戯がすきかなぁ・・・