*別体。(何かもう当然の如く)
*王様・社長・バクラ、皆仲いいな
*高校生はお盛んなのです
*オチとかないです




あの子のブロマイド





廊下をバタバタと走り回っているのは2年か?

アテムは少々騒がしいなどと思いながらそれを避けた。


その時、なにやら移動教室で荷物を一杯持った集団もその隣を通り抜けていった。


ぽすり、と何かが落ちたのに気づいたのは彼らが階段へ消えていってからだったので、
指摘することも出来なかった。

落し物は茶封筒。

今時珍しいな、などと思い手に取ると、手紙にしては重かった。

さっきの連中が何年だったのかも良くわからない。

名前さえあれば落とし主の元へと戻せるだろうが、
見た限り何も書いていない。

手に持ったまま教室へ戻ろうとすると、突然現れた無駄に高い壁にぶつかった。

「前くらい見て歩いたらどうだ。」

上から見下ろされるのは気に食わないが、
今からがんばってもこの身長には叶わないし、
今の方が遊戯の視線と合い易くて気に入っているので今更文句は言わない。

「ちょっと拾い物をしてな。」

海馬に拾った茶封筒を見せると、それを受け取り、同じように名前を見るが、
やっぱり何も書いていない。

「この重さだと、中は写真か何かではないか?」
「開けるのかよ。」
「封もされていない。写真であれば手掛かりになるだろうし、
写っている人物にでも渡せばよかろう。」

この男にプライバシーは無いらしい。
海馬は封筒の口を開けて中身を取り出した。
中には5,6枚の写真が入っていたのだが、



見た瞬間に2人とも言葉を失う。



しばしの沈黙の後、アテムが漸く口を開くが、

「被写体に渡すわけにはいかなさそうだぜ・・・?」


そこに写っていたのは、


「アテム、これは取得物だ。返却の必要性は無い。」
「俺もそういいたいところだ。」


2人が熱心にアプローチ中のあの子だったりしたわけだ。



しかも、ブリックパックのストローを咥えて、僅かに視線があっているような、
非常にもどかしい(?)状態で、なおかつそこそこ写りがいい。
まぁ被写体が被写体と言うこともあるのだろうが、
そこは個人の価値観の違いなので言及しない。

そんなちょっとレアな表情のあの子の写真。
海馬の写真を持つ手がワナワナと震えるのを見て
意図を察したアテムが牽制する。

「海馬、お前は確か『写真など所詮は虚像だ』とか言ってたよな。」
「無論そうに違いない。写真の遊戯とホンモノの遊戯を比べるなどと愚かしい。」
「じゃあ、別に海馬はそんな写真は必要じゃあないよな。」
「それとこれとは別問題だ。俺が遊戯を手に入れたあかつきには写真など腐るほどくれてやるがな。」
「遊戯は俺のもんだぜ。」

まだ双方とも告白すらしていないことを加えておこう。

「あー?なんだ、王様と社長さんよぉ、そんなとこ突っ立ってると教室入れねぇだろうが。」
「どうせ教室入ったって寝るだけだろ?」

普段ならば仲の悪い2人が一緒に突っ立っているのは、
仲の悪さの原因を知る人間から見れば滑稽だ。
まぁ、やってきたバクラもまた同様のことが言えるわけだが、
つまりある意味同胞でありながら、常時敵対している3人が集合している絵は更に滑稽だった。

バクラはさっきまでどこかで寝ていただろう顔をしつつ教室へ戻ってきたところだったのだが、
相変わらず目ざとい。

「で、何持ってんだ?」

ひょいっとそれと取り上げると、
やはり声を失った。

で、出てきた感想が
「こんな昼から刺激的なもんを・・・。」

社長も若いねぇ、と言いつつ写真を見ながらにやけている。

「生憎だが、持っていたのは別の誰かだ。」
「拾い物だからな。名前もない。」

バクラはへぇへぇ、と信じていません口調であしらうが、
海馬から奪った写真全てに眼を通すと、
一つの写真で手が止まり、

「あーあ・・・これなんかもう犯罪もんだぜ?」

と楽しそうに感想を漏らすが、
ふと何か思い出したようにいった。

そういえば最初の一枚以外2人とも見ていなかったので、思わず覗き込んだ。

「この時ってよ、」

バクラが提示したのは、
遊戯がプールに落ちた時の写真だった。

「確か俺たちが校庭で決闘してたんだよな。」

そうだ。

最初は言い争いだったのだが、いかにも彼らは決闘者。
拳ではなくそのデッキが武器である。
決闘中に遊戯の叫び声が聞こえて駆けつけたら、
びしょびしょに濡れた遊戯が居て、

「けしからんな。」

この写真に写っているように、恥ずかしそうにしつつ、涙目になりつつ、
前髪から水が滴り、頬を赤らめていたり
白いブラウスがちょっとけしからん状態になっていたのだ。

「何度見てもやばい映像だな。」
「仕方が無い、焼きまわすか。」
「撮ったやつ、いい仕事してやがるぜ。」


撮ったやつ・・・?



情けないことだが、一同はそれまで気づかなかったのだ。

このけしからん写真を誰が撮ったのか。
あのけしからん遊戯をどこから見ていたのか。
恐らく、カメラを構えたままだったはずだ。

この学校には防犯カメラなどと言うものはないし、
あってもこんな遊戯を撮ることは不可能だ。

「誰かが、こっそり取ったってことだろ?」
「盗撮か!!」
「そうなるな。」

大事件である。
彼らの最早アイドルといわんばかりの遊戯が、何者かに盗撮されていたなどと。

もしネットにでも流出していればどうなることか。
恐らく某掲示板群で遊戯の情報が漏れて、ストーカー紛いの変質者がぞろぞろと遊戯の後をつけ、
彼のプライバシーなどという言葉を気にも留めずに、
四六時中遊戯の一挙手一投足を撮り続けるに違いない。
さらには商売としてパパラッチのようなものが登場し、
遊戯が外出を怖がるような事態になりかねない。

「相棒を付けねらう不届き者が居るのは当然といえば当然だな。」
「そりゃあ、教室一つに3人すでにいるわけだしなぁ。常にあんなに無防備でいられたら、
中てられるやつも少なくねぇだろうし。」

遊戯は別に人気が無いわけではないのだ。
寧ろ人気はあるほうだと思われる。
ただそれが女子生徒からではなく、割と男子生徒からで、
しかも過保護的であったり愛玩レベルでの愛され方ではあるのだが。

「校内中の不届き者を全て見つけ出すのは余りにも手間がかかりすぎる。
今は遊戯の写真が悪用されている可能性を考えるべきだ。
現在のところ遊戯自身に被害は出ていないと思われるが、悪用されていれば時間の問題である可能性もある。
実際に被害が出る前にまずこれ以上の写真の流出を防がなければならない。
これが最初なのかこの前にもっと写真が撮られていたのか解らないが、
最優先事項は、遊戯のこの写真の所有者と出所、これらの前に取られた写真の行方・所在、
写真の利用用途を調べ上げ、当事者を見つけ場合によっては完全に抹消することだ。」

海馬は真顔でそう言う。
無論内容に反対は無いのだが、

「どうやって見つけ出す気だ?」
「アテム、貴様は落としたヤツの顔を覚えていないのか!?」

そういわれても、とアテムは思い出すが。
「あの時の集団だった上、落とす瞬間は目撃していない。
ただ、前の時限が移動教室で教科書を持っていたからな。
恐らく化学あたりの実験だったと思うが。」

確証は得られない。

するとバクラは何か思いついたようで。

「お前らがこの写真落としたって気づいたらどうするよ?」

そう見せ付けてくるのはさっきのびしょ濡れ遊戯。

「俺は落としたりしないぜ。」
「当然だ。」

落としたと仮定しろよ

「失くしたらあまりにも惜しいもんなぁ。
しかも、それが誰かに拾われて、いい具合に使われてたら、
不快も不快だ。」

それもそうだが。

「しかも、このメンツを見る限り、
遊戯狙いの輩は独占欲が強そうだな。」

そんな遊戯の写真、落としたらどうするよ。


「拾いに来る。俺だったら行く。誰かが落としたと聞いても行く。」


この写真を手放せというのか!?


「中に同じような重さのもん入れて置きゃあいいんじゃねぇの?」
「さすがバクラだ。えげつないぜ。」
「そうだな、逃げるようにして持ち帰る可能性も高い。その場ではばれないかもしれん。」

それに、
「盗撮するような輩に遊戯の写真を持たせるなどとありえん。」



何故か協力体制に入った3人は、適当に入れた後で、茶封筒を元のように戻し、
犯人の帰還を待った。




その後、まざまざと探しに来た本来の持ち主がどうなったのか、
それは書くまでも無いだろう。


そして遊戯はその一端すら知ることは無かった。






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背景素材:[MONO]をちょっと加工


意味不明。

ただ、総受け書いてないなぁと思ったので書いてみた。

反省?
ええ、とてもしています。




(08.02.19)AL41