1万Hit感謝リクエスト駄文!
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*高校生のはず・・・?
*せいしゅんっておいしいの?(ダメだコイツはやくなんとかしないと!)
導かれて、放課後
また放課後登校である。
海馬は出張から戻ったばかりだったが、
それでも学校をないがしろにするのは嫌なのだろう。
それはまるで負けた気分になるからであって。
基本的に完璧主義なので、社長業の名で学校を諦めることが嫌なのだ。
と、いうのは一般的な考え方である。
実際は?
「(遊戯はもう帰ったのか。)」
こういうワケである。
確かに学校と仕事を両立させることは、
海馬の自尊心を満足させるのだが、
それにしたって最近妙に登校することが多いのは、
こういうことである。
夕方になって登校する生徒は最早海馬くらいなもので、
多くのものはHRが終わるなり飛び出すようにして帰ってゆくのだ。
一秒でも長く遊ぼうという魂胆なのであれば、
遊戯も多分にもれず、
煩い取り巻きと飛び出してゆくのだろう。
では、何故そう考えていながら、一々来るのか。
最近、遊戯が会社へ遊びに来ることは、以前よりも格段に増えて、
それは好ましいことであったし、
社長室であれば遊戯を独り占めできるのだから文句などないのだが、
海馬は、それ以上に遊戯が好きだった。
自分のためだけに見せてくれる表情だけでは飽き足りないのだ。
取り巻き共と話している時、教師に叱られている時、
あの人が見せてくれる表情は、2人きりでは見られないから、
僅かな時間でも良い、
学校で高校生をしている遊戯を見たかった。
教師に出席代わりの1時間で終えたレポートを出して、
一度教室を覗く。
校舎はガランとしていて、
時折教室から男女の笑い声が聞こえるか、
校庭から部活動の声が聞こえる程度で、
海馬とは相容れぬ世界だったが、気軽だった。
彼のクラスもやはり人の姿はなく、
だが、
たった一つ、唯一知っている席には未だ鞄があった。
どきりとした。
昔であれば、それが何によるもので、どういう気持ちなのか、
自分でも理解できなかっただろう。
だが、今は判る。
教えてくれたのだ、遊戯が。
「(安い人間だ、ただお前が居ると知っただけで、喜んでいるなどと。)」
見た目に判断できぬ程度に苦笑して、
海馬は開いているこの時間に、在籍しながら殆ど解らない校内をめぐることにした。
思えば職員室と教室、その前の廊下階段くらいしか利用したことがない気がする。
いや、美術室には行った事が在るだろうか?
しかし、最近の遊戯の話では特に美術関係の残りがあるとは聞いていないし、
恐らく部活の人間か、美大受験者がデッサンでもしているのだろうと思い寄らなかった。
階段を1階まで降りて、海馬は改めて自分の行動を思い返し、
非常に効率が悪いことを悟る。
だが、教師がいつでも遊戯の行動を把握しているわけでもないし、
携帯に出るかといえば、怪しいものだ。
それに、見つけたら嬉しいのだろうと、まるで遊戯のようなことを考えてしまう。
とりあえずさっき職員室には居なかったし、教室にも居なかった。
校庭を走り回っている陸上部の生徒の視線を感じつつも、
辺りを見回してみると、
1つ不審なものを見つけた。
体育館前に、
ゴミ箱がおいてある。
そして、そこにはマジックで、
海馬のクラスが書かれている。
本能だった。
迷うことなくそこへ向かう足取りは速く、
期待過剰気味な心を必死に隠し切れずにいた。
その日は体育館を使って活動しているところはないらしく、
閑散としていた。
「やはり思い過ごしか。」
海馬は内心酷くがっかりしていたのだが、
その時、どむっと言うゴムの鈍い音が遠くから聞こえた気がした。
それが予想と違う可能性は、そうである可能性よりもずっと高いと言うのに、
胸が高鳴るのだ。
自分は何時からこんなに子どもじみたのだろうと、
呆然と思う。
「・・・くだらん。」
何かをそう一蹴して、海馬は音の聞こえたほうへと足を向ける。
体育館は殆ど記憶にない。
傍目には、部室が並ぶ廊下をまるで知っているかのような足取りだが、
実は初めて来た。
先がどうなっているのか解らない。
ただ、もう一度、ドムッという音と、
今度はガタンという音が聞こえて、
それがさっきよりも近いことは解った。
「合っていそうだな。」
だがそもそも確か、
体育館へ行くには校舎の2階から渡り廊下がなかっただろうか?
いや、あったはずだ。
だから知らないのだろう。
自分は余りにも知らなさ過ぎると思い至る。
遊戯はいつもどうやって体育館へやってくるのだろう、
そしてそこで何をしているのだろう。
恐らく苦手な体育にへきえきしつつも、
凡骨共と笑い合っていて、
そこに自分は居ない。
・・・喜ぶ次は嫉妬か、やはり子どもだな。
辛くなどないため息をついて、廊下を行くと、
体育館の鉄製?のドアが半開きになっていて、
ドムドムという、恐らくドリブルの音がすぐそこに聞こえる。
ドアの前で海馬は固まった。
もし、そこに居るのが遊戯でなくて、
実は今遊戯は教室で帰りの支度をしていたら?
そんな可能性は考えるまでもなく、最初からあったはずだ。
これは可能性の問題ではない、
ただの希望だ。
そう、彼らしいのやららしくないのやら、
ドアに手をかけて固まってしまった。
だがその時、ドスっという音を立てた後、
暫くするとその半開きのところへバスケットボールが転がってきた。
今まで固まっていたというのにそれに見事に反応してしまう自分は、
やはり根拠のない希望に身を任せただけの子どもだと思う。
しかしそれで良い。
ドアを開け放つと、あっ!という声が聞こえる。
よく聞きなれた声だった。
「海馬君!?」
「そんなに驚くものか?」
目を丸くしている遊戯はそこにいた。
「だって、あ、今来たの?」
「ああ。」
そっかー、なんだ連絡くれればいいのに、というのだが、
跳び箱に掛けられている学ランの中で必死に携帯が喚いても気づかなかっただろうということは、
シャツが濡れるほど汗を掻いている様を見れば解ってしまう。
「なんだ、1人か。」
「1人じゃない方がよかった?」
「聞くまでも無い問を問うな。」
「それはキミも一緒。」
ボールへと駆け寄ってくるので、海馬はそれをとりあげて、
手渡しざまに遊戯を見た。
こんなに活発に動いているのは初めて見たかもしれない。
「酷い汗だな。」
「もう必死でさー。」
何かあったのか?と放置されたままの平均台へ腰を下ろしながら問うと、
キミにはわかんないと思うけど、と前置きをしてから、
「今度テストするんだってさ。」
「何のだ?体育か?」
「そう。意味わかんないよね。」
体育は本当に苦手なんだよ、教わっても出来るわけじゃないし。と、呟く。
遊戯は苦手苦手と言いつつも、何とか乗り越えようとするようになった。
その結果以前よりは多少成績もマシになったらしい。
無論その影には海馬という最強の家庭教師がいて、
報酬は金銭以外で受け取っているのだが。
だが、こういうものは違う。
「ボクは背も低いし、どうしようもないんだけどさ。」
「やっているうちに伸びるかもしれんだろう?」
「あ、そっか!」
「まぁ、限度はあると思うが。そもそもテストには間に合わん。」
186の男に言われると皮肉にも聞こえない。
「苦手という割りに練習とはな。」
「そんなつもりじゃなかったんだけどさ、
ゴミ捨てに行ったらボールが転がってて、倉庫に戻しに来たんだけど、
思い出しちゃったし、人も居ないからさ。・・・って、あ!」
「置いてあったぞ。ゴミ箱くらい放置してても問題なかろう。
盗んだところで得などない。」
それに、それがなければお前を見つけられなかったのだから。
「海馬君、それで此処にきたの?」
「お前がまだ残っていることは解っていたし、
体育館前にゴミ箱が置いてある上、見たことのあるクラスだったからな。
1人で練習とは、凡骨共はどうした。」
―結局は独り占めになってしまうではないか。
「しょうがないじゃん。皆色々大変なんだよ。
暇人はボクだけ。」
「・・・つまらなくはないのか?」
「慣れっこだよ。一人っ子だしね。珍しいね。海馬君がそんなこと言うの。」
「そうか?」
「そうだよ。何時もは“またお友達と一緒か”とかって言うくせに。」
「それもそうか。」
お前は俺を良く見ているな。
嬉しい。
だから、俺にも、お前を見せて欲しい。
海馬は上着を脱いだ。
「え?」
「付き合ってやろう。」
「ええ!?」
遊戯は思わず一度ボールを落とした。
「海馬君!?」
「ルールくらいは知っている。」
袖をまくり、襟を楽にして、
ボールをもつ遊戯の前に立った。
「まさしく壁だ・・・。」
「簡単には越えられんぞ?」
簡単な話だ。
「ゴールを入れればいい話だ。
お前はコツさえ掴めば無難になんとかできるだろう。」
「・・・その認識が何処から来るのかが不思議だよ。」
だが、遊戯にとってそれはとても良い壁だった。
「海馬君、跳んだり、腕とか伸ばさないでね。」
「俺は本気で止めにかかる。」
「ちょ、ぜ、絶対入れられないよ!」
「妥協しては意味が無かろう。」
そりゃそうだけどさー、と半分ふてくされながら、
わかるのだ、
遊戯は楽しんでいる。
そして、挑む視線。
ゾクリとする。
心地の良い緊張。
お互いの妥協無き本気を受け止めあえるのは、
お互いを信頼しているからに違いない。
信頼される喜び、
信頼にたる存在。
恐らく遊戯がどう足掻いても、
海馬の力には叶わない。
だが、負けたくない。
本気でぶつかって、怒る相手ではない、寧ろ、
本気を出さなければ怒り出すような人だから。
「行くよ!」
海馬の背にあるゴールへ届くには、
より高く、海馬の伸ばした腕をかわすほかない。
高く、投げた。
本気だったからか、
それとも本気以上でぶつかっていったからか、
唯の偶然か。
ネットの揺れる音がした。
「気に食わん。」
「ほら、海馬君は出張帰りで疲れてるだろうし。」
「違う。今のは俺の過失だ。もう一度だ遊戯。」
目に見えていた結末だったのだが。
海馬は、見入ってしまったのだ。
見た事がない遊戯の表情に。
何故なら彼は遊戯の全てを見たいと思っていたからで、
その時の遊戯の顔も見ていたかったから。
だが、もう一度見た。
今度は、惑わされない。
海馬は袖をまくりなおし、
完全戦闘体制に入ると、
遊戯も結局は乗り気になって、
結局下校の鐘が鳴るまで、体育館には鈍いゴムの音が鳴り響いて。
遊戯の学ランの上にかけた海馬の学ランの中で携帯電話が盛んに喚いていたことに、気づくこともないほどに。
(08.05.18)AL41
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リクエストありがとうございました!
青春・学校・高校生 というキーワードで頂いたのですが、
社長が全然高校生じゃなくって、
いやいや、もう誰だっていう・・・
(相変わらず社長の扱いの酷さに定評のあるサイトです)
実はこれもネタがうまくいかなかったので、
前のを捨てたのですが、
学校というと、
場所は何処にしようかと思ったところ、
屋上はバクラのフィールドなので諦め、
図書館っていう手もあったんですが、
体育館を選んでみたころ、あっさりネタが決まったので、
体育館になりました。
ちなみに体育館ネタは祓魔でも出てくるはずです。
ただ青春と高校生らしいというところがさっぱりに・・・スイマセン
駄文ですが、楽しんでいただけたのなら幸いです
ありがとうございました!