1.お菓子<悪戯
*別体
今日、いや正確に言えば、
今夜はハロウィン・・・
昼間の話の様子では、
あの恋人はハロウィンが酷く気に入ったらしい。
『お菓子貰えるって、ホントっ!?』
あんなにキラキラした目を前に、
薀蓄など語る気は起きず、結局そうだと頷いた。
ついでに、今、手にはオレンジ色のものが・・・。
帰宅途中まで一緒だったが、別れた後すぐにとってかえして、
ばれない様に購入してきたオレンジのそれ・・
プラスチックのジャックランタン、中身は飴だ。味とかは良くわからない。
まさかカボチャ味ではないだろう。
アテムは何だか楽しみで、しかし不安もあった。
というのも、
「誘えばよかった・・・。」
遊戯が今夜来ると、決まっているわけではないのだ。
彼がハロウィンの話で盛り上がっている間、
どうにも2人きりになる時間がなかったので都合がわるかった。
今日、彼らの親友である城之内や、杏子が暇だったことはわかっていて、
もしハロウィンをするのであれば、あの博愛主義者は「みんなでやろうよ」、
というに決まっているのだから。
アテムとしては、
時間帯が時間帯なだけに他の楽しみもあったりしたので、
2人だけがよかった。
そんな恣意的な希望のために、
今夜遊戯がやってきてくれるかどうかは、50:50の可能性だ。
部屋に戻り、愛用の黒革のソファに転がり、
携帯電話を開けたり閉じたり繰り返す。
メールで言おうか。
だが、コチラからメールをすると、
いかにも「用意したので来てくれ」というようにはならないか?
それでは格好が悪すぎる。
「ふぅ・・・。」
机の上のカボチャを見ては、珍しくため息をつく。
「・・・潔く諦めるか・・・?」
しかし、2人の関係を思えば思うだけ、
可能性を信じたくなる。
暫くジャックランタンとにらみ合っていたが、
諦めたように夕食の仕度に取り掛かった。
時計が午後9時を回った。
それは遊戯の門限だった。
「俺の負けか・・・。」
カボチャをつっつき、再びため息を漏らす。
さて、困った。
アテムは飴を嘗めない人間だし、こんなケースが残っていても虚しくなる。
折角遊戯の為に買ってきたのだから、遊戯にあげるのが一番だ。
そうだ驚かせるのであれば、何も待っている必要は無い。
カボチャを手に、上着を取る。
こちらから出向けば良い。
遊戯の家では流石に望んでいた夜を迎えることは出来ないが、
キスくらいであれば何度でもできる。
トリックorトリートといって、困らせてやれば良いではないか。
ついでにカボチャも渡して、それでいい。
上着に袖を通す。
携帯電話をポケットに突っ込み、カボチャは手に持ったまま、
一度鏡を覗き込んでから、
靴を履こうと玄関まで出て行くと。
廊下を誰かが歩いてくる。
だが9時ではまだ帰宅中の人など大勢いるし、
警戒するほどのことではなかったのだが。
その人影はアテムの部屋の前で止まる。
「・・・誰だ・・・?」
ちょっとした好奇心から覗き込むと、
覗き込んでる紫の瞳が映る。
「!?」
それは何度も覗き込んだ瞳。
「(み、見られた・・・!?)」
開けたい衝動に駆られたが、何故か上着を着ているのはおかしい。
アテムは慌てて上着を脱ぎ、携帯をとってカボチャをソファの裏に隠した。
すると、
鳴った。
平静を装ってインターフォンに出る。
「はい。」
『えへへー、ハッピーハロウィーン!』
どうやってこのマンションに入ってきたんだか。
そう思うと苦笑して、しかしすぐにドアを開けた。
暖かそうなコートを着た遊戯がニコニコと笑いながら、
覗き込む。
「驚いた!?」
「ああ・・・。」
それは嘘ではなかった。
あの動転した一瞬は間違いな無かった。
ただ、驚いてやられた、というよりは嬉しくて仕方が無かった。
「キミを驚かせられるなんて、珍しいかも!」
「俺があけてないのに、良く入ってこられたな。」
「入ろうと思ったら、管理人さんにあってね。」
おもえば遊戯が余りにも頻繁に出入りをしているので、管理人に顔を覚えられていてもおかしくは無い。
なんでもないタネに苦笑しつつも、
冷たい手をとってソファへ腰掛けさせる。
紅茶を注ぎ差し出すと、その小さな手を温めた。
アテムは
「そういえば、お菓子だったか。」
そうカボチャを出そうとしたのだが、
「ボクはキミに会えれば理由なんて何だってよかったんだ。」
そう言ってのけてくっつく。
「ママにね、今日は『ハロウィンだから、アテムのとこ行って来る』って、宿泊許可は得てきたよ。」
だから今夜はずっといっしょだよ!
とニコニコ笑っている。
「それじゃあお菓子はいらないか。」
「え!?もしかしてあるの!?」
ぱぁっと明るくなって、両手を差し出してくる。
買ってきた甲斐があるというものだ。
アテムはソファ裏からカボチャを取って、それを片手にわらう。
「俺から取れたらやるぜ。」
戯れられれば何でも良い。
アテムはただそう思っての提案だった。
だが思いのほか遊戯は真剣に受け取ったらしく。
暫く眉間に皺を寄せてから、ぽっと頬を染めて、キリっとコチラを見すえる。
「絶対とるよ。」
そう、ソファで横になっているアテムのうえにのしかかるようにして、手を伸ばし
彼の後ろへと突き出された右手の先にあるオレンジのものを目指す。
アテムは思惑通り戯れて喜んでいた。
いずれにせよこのカボチャは遊戯の元へ行くわけだ、
遊戯が必死になることもなかったのだが。
「アテム。」
呼ばれてはっとすると、
あっ、と言いかけた言葉が遊戯の口に遮られた。
相変わらずの触れるだけのそれでも、
アテムの気をそらすには充分すぎて、
呆けた隙を狙い、
「カボチャ、ゲット☆」
と、見事に奪い取って見せた。
思わぬ策にしてやられたアテムは、
カボチャを眺め喜んでいる遊戯を反対に押し倒した。
「あ、アテム!?」
今度は驚かされた遊戯は、
目をぱちくりさせながら、見下ろしていたアテムの言葉に覚悟を決める。
「Trick or treat.」
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うん。
エロくないね。(あれ?)
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2.お菓子>悪戯
*バカっぽいw
海馬邸につくと、家政婦のお姉さんが魔女の帽子を被せてくれて、
早速飴を貰った。
少しは雰囲気が出ると言うものだ。
遊戯はそろりそろりと、あの人の部屋へ向かう。
こんな時間にこの部屋もといこの屋敷へやってくると、
ある程度のことは覚悟をしないといけないのだが、
まぁ最近は会う時間も少ないので、たまには2人でゆっくりしたいという思いはあった。
多分、開けて、
トリックorトリート!といえば、
『お前もか。』なんていいながら、
何かくれるだろう。
そして『俺には何もないのか』とかいいながら、
何かを要求してくるに違いない。
或いは悪戯と称してまぁごたごたと・・・。
嫌か嫌ではないのか、と聞かれれば確実に後者で、
この予想されうるシナリオは絶対的に不可避だろう。
予想のしやすいあの人を思い苦笑する。
見慣れたドアをトントンっと叩いて、
返事を聞いてからドアを開けた。
「トリッ!・・・!?」
元気良くあけたところ。
黒い妙に高い襟のマントを羽織った男がPCに向かっている。
そのブラウスは何だか不必要なほどにフリルがついていて、
コートの紐が襟元で結ばれリボンに見える。
見たことがある顔の気もするが、
遊戯は何か関わってはいけない気がしてそっとドアを閉めた。
「ボクは何も見ていない。何も見てない何も見てない・・・」
呪文の様に言い聞かせる。
気のせいだよね、そうだよ、気のせいだよ、と
確認すべく再びゆっくりドアを開ける。
覗き込むように机を見る。
「だ、誰もいない・・・!?」
PCの明かりが漏れていて、
反対に怖いが、本当に気のせいだった気がしてくる。
「あれれ・・・お邪魔しまー・・うわぁ!?!?!?」
一歩部屋に踏み込んだところ、
突然何者かに抱え上げられた。
「お、おろして、」
「断る。」
声の主は無論部屋の主で、
遊戯が何とか確認した限り、
普段は白のコートはやはり黒のマントになっている。
そのまま黒マントの男、海馬は遊戯を机まで連れて行き、
椅子に座った自身の上に横向きで座らせた。
「良く来たな。」
「お邪魔します・・・って・・・。ねぇそのかっ」
「今日が何の日か知っているだろう?ならば解るはずだが。」
「ハロウィンでしょ?」
「だからだ。」
「?」
遊戯が合点がいかないのは、
ハロウィン=仮装ということではなく、海馬=仮装というところだ。
「何でキミまでそんな格好をしてるのさ。」
「おかしいか。」
「うん。」
遠慮なく肯定する遊戯に苦笑しつつも、
「菓子を要求する側は仮装くらいするべきなのかと考えた結果だ。」
とはいうものの、多分遊戯を驚かせよう程度の魂胆だったのだと思われる。
「海馬君もお菓子ほしいの?」
「そうだな。」
そういいながらも海馬が攻勢に入らないのは、恐らくまだ仕事が中途半端なのだろう。
「お仕事終えていいよ。」
出来た恋人は許可を出し、膝の上から逃げようとするが、
「逃がさん。」
と、結局そこにいるままだった。
一般人の前で仕事などしていいのか、と疑問だが
遊戯が信頼されている証拠ではないかと思った。
海馬が信頼している人間など、多分右手で数えられる。
そこに入れるだけでなんだか満足した。
5分もしないうちに終わったらしく、PCをシャットダウンし始める。
「仕事終わり?」
「ああ。後の時間はお前を構うためだけに費やしてやる。」
それは結構な話だが。
その分明日の朝の腰への負担が増えるのだ。
少々時間稼ぎがしたいところだ。
「さて、まずはお前に飴でもやろう。」
そう引き出しから飴が出てくる。
律儀に用意してあるのは多分弟のついでだからだろう。
大きな飴玉の包み紙には[コーラ]と書いてある。
気を遣ってくれたらしく、ちょっと嬉しい。
遊戯は早速飴を口に放り込んだ。
海馬はその場で食べると思っていなかっただけに少し驚いたが、
遊戯は幸せそうな顔で砂糖の塊を嘗めている。
それはとても幼い顔で、取り巻きも知っている遊戯だった。
無論海馬も知っている。
だがそれとは別の顔も知っている。
閨事のときの遊戯といえば、
幼さではなく、艶美というのがふさわしいような顔をする。
口にはしないのに、与えれば悦ぶ。
気分に任せて激しく求めても受け入れてくれる温かさと
最近はすっかり縁遠くなっている。
とりあえず早々に何とかしたい。
「さて、遊戯。」
「ん?」
「悪戯されるのが嫌であれば、さっさと差し出すことだ。」
さて来た。
時計に目をやると10時ちょっとすぎたくらいで、
「モクバ君がまだ起きてるよ。」
「モクバにはさっきもう菓子は渡して、さっさと寝るように言ってある。」
「んー・・・。」
遊戯としてはまだ早い。
もう少し粘れないか。
その時に思い立ったのが口の中の飴。
「ボクが飴を嘗め終わったらね。」
そう一方的にいいのけて、
口の中に放置しておく。
大玉の飴だ、舌で転がさなければ、そう簡単には溶けないだろう。
だが、
1分も経たないところで、
頭上の人間は限界が来たらしい。
「遊戯。」
「まだだめ。」
「拒否する。」
「ん〜・・・。」
まだ口をモゴモゴしている恋人を見やる。
寄り添い触れる部分から温かさが伝わって、海馬を追い詰める。
早く、一秒でも早くあの顔が見たい。
だが遊戯は防戦一方、嘗めることで時間稼ぎをしているらしい。
さっさと飴がなくなれば良いのだ。
追い詰められた海馬は必殺技を思い立った。
「飴玉はお前にでかすぎたようだな。」
勝手に決めつけ、
突然遊戯の唇に食いつく。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
驚くが抵抗は出来ず、
器用にも飴を舌で奪い取られた。
「ずるいよ!」
ガリガリガリ・・・・
「か、噛んでるし!?やだ、ずるいよそれは!」
海馬の口から飴の音が消える。
「甘いな。」
すっかり飴を噛み砕きノドに流し込んだ後で感想を漏らす。
「折角キミがくれた飴なのに。」
「あんなものダンボールで送ってやる。さて、遊戯。飴はもうないぞ。
お前は俺に何をくれるんだ?」
あえて聞いた。
他のものは受け付けないと海馬の目は言っていた。
「解ったよ・・・もう・・・キミは物好きだ。」
抗うことは出来ない。
緩しの許可を唇に伝えられた口はニヤリと笑う。
長い10月末日の夜。
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飴をガリガリする社長が書きたかっただけです。
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3.お菓子=悪戯
*ビッチっぽい・・・?
*公共の場でこういったことはやめましょう、迷惑です
*やっていいのは二次元だけ!
*多分3つの中で一番えろい
*普通になんでこんなに下ネタっぽいんだろうバクラ(偏見)
今日はデート!珍しい?
デートという言葉を双方とも口にしたことは無いが、
多分お互いにそういう認識をしているには違いなかった。
バクラは恋人遊戯と共に、
隣町をデート中だった。
見たい映画が此処でしかやっていなかったから、だが、
童実野では見かけない店や商店街を歩いているだけで楽しい。
2人でいればそれで楽しいのだが。
「ねぇ、ゲームセンター!プライズいっぱいあるね!」
「景品なんか取ったって、何にもなんねぇじゃねぇか。」
そういいつつもゲームと聞くといかずにはいられないゲーマー2名は
ためらうことなくそこへ入っていく。
入っていって最初に目に付いたものといえば、
魔女のコスプレをした女性店員。
「うわぁ・・・嫌じゃないのかな。」
スカート丈はギリギリといったかんじだ。
「なんだかんだいってコスプレが常習化してきてるな・・・クリスマスだのなんだの・・・。」
それにあーいうのは、景品とかになってることもあるんだろ?と、
辺りの台を見回すと、
案の定魔女のコスチュームが入っている。
ほんとだーと言う耳元で、ニヤリとわらい呟く。
「遊戯、着るか?着るんならとってやってもかまわねぇよ?」
「や、やだよ!」
「何時もと同じじゃマンネリだし、気分かえるのにいいんじゃねぇの?」
「何時もと同じって・・・っ!?ば、バカ!!!」
何のことを指しているのか解ってしまう自分が情け無い。
だが、まぁどうせ今夜もそうなのだろうと予測は出来る。覚悟もしている。
それが嫌だといえば嘘になると思う。
この男が普段とは違う顔をするから、
こちらまで何だか普通ではいられなくなる。
声の調子とか、目つきとか、触れ方とか、
「(ボクは何を思い出してるんだろ・・・)」
頭がいっぱいになりそうだ。
「何考えてんだよ・・ったく思春期しやがって。」
「キ、キミも一緒でしょ!?」
「まぁ初心い証拠か。」
呟きさっさと行ってしまう。
相変わらずコチラの話を聞かない様子に、
普段の調子に戻った気がして少し安堵して、
その後をおった。
「あ、」
その途中で見つけたのは、
棒つきキャンディの箱。
立ち止まった遊戯の元へバクラも戻ってくる。
「飴なんてあるんだ。」
「ハロウィンだからか?」
「あ、なんだっけ、お菓子を、」
「Trick or treat.ってやつか。ふーん・・・」
何かを考えているらしい。
良い予感はしないが。
「あれってガキがウロウロするやつか。」
「ウロウロって・・・。」
「17はやっても良いのか?」
「わかんない。」
「ふーん、じゃあ、こうしようぜ?
お前がこれをとらなかったら、俺はお前に悪戯するってのでどうだ。」
何をどうしたらそんな提案が出るのだろうか。
「コストは俺が払って差し上げましょう。」
「つまり、ボクがとれば今日はぐっすり寝られるってこと?」
「物分りがいいじゃねぇか。」
そんなところがよくても困るのだが、
解らない方がどうかしている文脈だった。
売られたら買う。
どうせ最初から夜の予定は想定済みだったのだ。
遊戯は挑むこととした。
100円玉が投入される。
「絶対とってやるんだから。」
意気込む遊戯をよそに、バクラは左右を確認している。
店は人が少ないし、あのコスプレをした店員も居ない。
1番ボタンで左右に動かした後、
さて奥行きというところ、
「ひゃッ!!」
いきなり背中に手があたる。
「ほら、ミスるぜ?」
バクラの手は、ミスれといわんばかりにその背中をなぞり、
さらに下へと伸びる。ズボン越しとはいえ、指の形を感じる。
「ッ!!」
すっかり知れてしまった場所を指でまさぐられ、
更に更に奥へと届きそうだ。
「やだっ!」
ボタンから指が離れ、アームが降りてゆく。
「もう悪戯じゃん!?」
「悪戯じゃ無ぇよ、妨害。」
「同じ!」
しかし結果は。
まっすぐに降りたアームは、箱についた輪っかを確り捉え、
ゴトリと飴が落ちてきた。
「なんだよ、とっちまったか。」
「・・・。」
取り出して、遊戯の手にそれを乗せる。
「残念ながらお前の勝ちだな。そいつはくれてやるぜ。今夜は安眠ってか?」
「・・・ねぇ・・・。」
悪戯に這わされた指のお陰で、
さっき必死に忘れようとしたことを、よりリアルに思い出してしまった。
こんな風にしておいて安眠などとは無責任だ。
「ずるいよ・・・。」
袖をぎゅっと掴む仕草に、バクラは俯いている顔がどうなっているのかすぐに想像できた。
「どうやら俺にもお菓子のお土産が出来たらしいな。」
「おかしって何さ・・・。」
「さぁな。」
今日はもう帰ろうぜ?との提案に、
すっかり食わされた遊戯は不服そうにしながら、
その後を追う。
寒くなり始めた、10月31日。
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棒つきキャンディ(飴)がでてくるのは、
管理人がチュッパチャップスにハマっているからです。
バニラくいてぇ!!!寧ろキャラメルうううう!(これは酷い)
AL41(08.10.31) Happy Halloween!
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